3. 昭和61年3月までは対象がもっと広い

古い期間には、さらに多くの区分があります。

3.1 会社員の配偶者だった期間

昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの期間では、厚生年金保険、船員保険及び共済組合の加入者の配偶者で、国民年金に任意加入しなかった期間が合算対象期間になります。

第3号被保険者の制度ができたのは昭和61年4月です。それ以前は会社員の配偶者も任意加入でしたので、加入していなかった人が少なくありませんでした。その期間が救済されている形です。

3.2 脱退手当金や任意脱退の期間

厚生年金保険・船員保険の脱退手当金を受けた期間も対象です。ただし昭和61年4月から65歳に達する日の前月までの間に、保険料納付済期間があることが条件になります。

このほか、国民年金の任意脱退の承認を受けて被保険者にならなかった期間、学生であって任意加入しなかった期間、厚生年金保険や共済組合の期間のうち20歳未満または60歳以上の期間なども該当します。国会議員や地方議員だった期間についての規定もあります。

4. 昭和36年3月以前の期間も数える

さらに古い期間についても定めがあります。

4.1 国民年金ができる前の厚生年金

昭和36年3月31日以前の厚生年金保険・船員保険の被保険者期間は、昭和36年4月以降に公的年金加入期間がある場合に限り、合算対象期間になります。

共済組合の組合員期間についても、昭和36年4月以降に引き続いている場合に限り対象です。国民年金制度が始まる前の期間も、条件つきで数えられるということです。

4.2 多くは20歳以上60歳未満に限られる

合算対象期間の多くは、20歳以上60歳未満の期間に限るという条件がついています。日本年金機構の一覧でも、大半の項目に印がつけられています。

一方で、第2号被保険者としての20歳未満または60歳以上の期間のように、この条件がつかないものもあります。項目ごとに扱いが違いますので、自分の期間が該当するかは個別に確認することになります。

5. 年金額は増えない点に注意する

期待しすぎないように、限界も押さえておきます。

5.1 数えるのは資格の判定だけ

合算対象期間は、受給資格期間としてみなすことができる期間ですが、年金額には反映されません。10年の判定には使えても、受け取る額を増やす効果はないということです。

合算対象期間が5年あっても、年金額の計算では0円分として扱われます。カラ期間と呼ばれるのは、このためです。

5.2 額を増やすなら別の手段を

年金額そのものを増やしたい場合は、免除期間の追納や、60歳以降の任意加入といった手段を検討することになります。合算対象期間とは目的が異なります。

受給資格を満たしているかどうかと、いくら受け取れるかは別の話です。まずは資格を確認し、そのうえで額の話に進むのが順序になります。

6. 確認は記録と窓口で

自分に該当する期間があるかを調べる方法です。

6.1 加入履歴を見る

ねんきん定期便の封書には、これまでの年金加入履歴が記載されます。封書が届くのは35歳、45歳、59歳の年です。ねんきんネットに登録すれば、いつでも記録を確認できます。

ただし合算対象期間は、機構側で把握できていない場合があります。海外に住んでいた期間などは、本人が申し出て確認してもらう必要が出てきます。

6.2 迷ったら年金事務所へ

相談の場でも、加入期間が足りないと思い込んで請求をしていなかった方にお会いしたことがあります。該当しそうな期間に心当たりがあるなら、確認する価値があります。

項目が多く、条件も細かいため、自分で判断するのは簡単ではありません。年金事務所や街角の年金相談センターで、記録を見ながら相談してみてください。

7. まとめにかえて

合算対象期間は、年金額には反映されないものの、受給資格期間としてみなすことができる期間です。保険料を納付した期間と免除された期間に合算対象期間を加えて10年以上あれば、老齢基礎年金の受給要件を満たします。

昭和61年4月1日以降では、海外居住期間、平成3年3月までの学生期間、第2号被保険者としての20歳未満または60歳以上の期間などが該当します。それ以前の期間には、さらに多くの区分が設けられています。

ただし年金額を増やす効果はありません。加入期間が足りないと思っている方は、あきらめる前に年金事務所で記録を確認してみてください。

参考資料

村岸 理美