趣味にかけるお金は、多いのか少ないのか。自分では判断しにくいものです。
そんなときに参考になるのが、公益財団法人日本生産性本部が毎年発表している「レジャー白書」です。余暇活動ごとに、年間で何回楽しみ、いくら使っているかが集計されています。
今回はこの資料から、テレビゲームにかかる費用を確認していきます。
- テレビゲームの年間平均費用は1万4900円、年間平均活動回数は48.9回
- 1回あたりに換算すると約305円という手ごろさ
- 外食は年18.6回で6万5300円。同じ娯楽部門でも性格は大きく異なる
1. ゲームの年間平均費用は1万4900円
まずは数字を見ていきましょう。
日本生産性本部が公表している「レジャー白書2025」(速報版)によると、余暇活動として「テレビゲーム」を行っている人の年間平均活動回数は48.9回。年間平均費用は1万4900円という結果になっています。
なお、レジャー白書での正式な種目名は「テレビゲーム(家庭での)」です。参加率は21.4%で、娯楽部門21種目のなかでは外食に次ぐ2番目の高さになっています。
年間1万4900円を12か月で割ると、月あたり約1240円。サブスクリプションサービス1つ分ほどの金額です。
活動回数48.9回で割ると、1回あたり約305円になります。この「1回」が何時間のプレイを指すのかは人によって異なりますが、1回300円程度で楽しめる余暇と考えると、かなり手ごろな部類に入るといえるでしょう。
2. 外食は年18.6回で6万5300円
比較のために、同じ「娯楽」部門の他の活動も見てみます。
テレビゲームと同じ娯楽部門のうち、参加率がもっとも高い「外食(日常的なものは除く)」の年間平均活動回数は18.6回で、年間平均費用は6万5300円でした。参加率は35.6%で、娯楽部門21種目のなかで最も高い水準です。
回数はゲームの約4割にとどまる一方、費用は4倍以上。1回あたりに換算すると約3510円で、ゲームの約11.5倍になります。
・テレビゲーム:年48.9回/1万4900円/1回あたり約305円
・外食:年18.6回/6万5300円/1回あたり約3510円
もちろん、外食には食事という実利と、人と過ごす時間という価値があります。単純にコストパフォーマンスで比べるものではありませんが、「回数を多く楽しみたいならゲーム、特別な体験を求めるなら外食」という性格の違いは、数字にはっきり表れています。
3. ゲームは「回数型」の余暇
この2つの数字の差は、余暇活動の性質の違いを示しています。
ゲームは初期費用としてハードやソフトを購入すれば、あとは何度遊んでも追加費用がかかりにくいという特徴があります。年48.9回という回数は、週に約1回のペース。日常のなかに組み込みやすい余暇だといえます。
一方、外食は1回ごとに費用が発生します。回数を増やせばそのまま支出も増える構造です。
家計の観点では、この「追加費用がかかりにくい趣味」を持っていることは、支出の安定につながります。天候や予約に左右されず、まとまった時間がなくても楽しめる点も、継続しやすさに寄与しているでしょう。
4. 注意したいのは「課金型」との違い
ただし、この1万4900円という数字を見るときには注意点もあります。
近年のゲームには、ソフトを買い切る形式だけでなく、基本プレイ無料で追加要素に課金する形式や、月額制のサービスも増えています。後者のスタイルでは、支出が青天井になり得ます。
ここで押さえておきたいのが、レジャー白書における年間平均費用の定義です。これは「その余暇活動を行った人」一人当たりの平均であり、まったくやらない人は分母に含まれていません。つまり1万4900円は、ゲームを遊んだ21.4%の人のなかでの平均額ということになります。
そのうえで平均値は、ほとんどお金を使わない層と、多額を投じる層をならした結果です。自分の支出が平均より多いか少ないかを確認するには、実際にかかった金額を1年分振り返ってみるのが確実です。
家計簿アプリの明細やアプリストアの購入履歴を見返して、年間いくら使っているかを把握する。そのうえで、上限を決めて楽しむのが、趣味と家計を両立させるコツといえます。
5. 「回数」と「費用」の2軸で余暇を選ぶ
レジャー白書のデータが面白いのは、費用だけでなく年間活動回数もセットで示されている点です。
この2つを組み合わせると、余暇活動を4つのタイプに整理できます。
・回数が多く、費用が安い:テレビゲーム、読書、散歩など日常型
・回数が多く、費用が高い:外食を頻繁にするなど習慣型
・回数が少なく、費用が安い:季節のイベントなど機会型
・回数が少なく、費用が高い:海外旅行など特別型
家計に余裕がないときに真っ先に削られるのは「回数が少なく費用が高い」活動です。一方、「回数が多く費用が安い」活動は、生活の質を保ちながら支出を抑えるうえで重要な役割を果たします。
テレビゲームが年48.9回・1万4900円という位置にあるのは、まさにこの日常型の代表格だからでしょう。物価上昇が続く局面では、こうした活動の価値は相対的に高まります。
6. 平均額から自分の余暇予算を組み立てる
複数の趣味を持っている場合は、それぞれの年間費用を合算してみるのがおすすめです。
たとえばゲーム1万4900円、外食6万5300円を足すと8万200円。年収に対して余暇にどれくらい配分しているかが見えてきます。
一般に、手取り収入の5%前後を趣味・娯楽に充てるのが無理のない目安といわれます。手取り年収400万円なら20万円程度。この枠の中で、何にいくら配分するかを考えると、優先順位がはっきりします。
削るのではなく、配分を決める。この発想のほうが、趣味を長く続けやすくなります。
7. まとめにかえて
今回は「レジャー白書2025」(速報版)から、余暇活動にかかる費用を確認しました。
- テレビゲームの年間平均費用は1万4900円、年間平均活動回数48.9回
- 1回あたりは約305円
- 外食(日常的なものを除く)は年18.6回で6万5300円
自分の趣味にかけている金額を平均と比べてみると、家計における「楽しみ」の位置づけが見えてくるかもしれません。
8. 【執筆者コメント】「回数型」の趣味に助けられているところです
正直に申し上げると、私自身はゲームをほとんどやらない側の人間です。それでも今回の4分類を眺めていて、これは他人事ではないなと思いました。
私の余暇はもっぱらラーメンとサウナなのですが、どちらも「回数が多く、費用が安い」側に入ります。ラーメンは1杯1000円前後、サウナも施設によりますが数百円から。1回あたりの単価が読めるぶん、家計のなかでは扱いやすい部類かもしれないですね。
とはいえ、ラーメンにビールを足した瞬間に単価が跳ね上がるので、そこは見て見ぬふりをしてしまっているところも。休肝日を設けようという話は毎回出るのですが、なかなか難しいところです。
「削るのではなく、配分を決める」と書きましたが、これは自分に言い聞かせている部分もあります。1回あたりいくらかが分かっている趣味は、忙しい時期でも切り捨てずに済むからです。ゲームの1回約305円という数字は、その意味でかなり強いのだと思います。
まずは1年分の履歴を見返すところからだと思うので、私も自分の年間ラーメン代を数えてみようと思います。直視できる自信はまだないのですが、精進したいところです。
参考資料
中沢 新