秋のお彼岸で実家に帰省し、久しぶりに親と顔を合わせたという方も多いのではないでしょうか。そんなとき、見慣れない簡易書留が届いているのを目にしたら、それは「公金受取口座登録の意向確認書」かもしれません。

2026年8月から、65歳以上の年金受給者のうち約1600万人を対象に順次発送されているこの書類、実は「特に何もしなければ、年金の振込口座がそのまま公金受取口座として自動登録される」仕組みになっています。

この機会に、口座登録の手続きだけでなく、老後の暮らしや終活について、親の希望を確認しておいてはいかがでしょうか。今回は、意向確認書が届いたときの対応や注意点とあわせて、親の老後の備えについて考えていきます。

※「公金受取口座登録の意向確認書」については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

【年金】8月から送付開始「意向確認書」の簡易書留《届く人・届かない人》の条件とは?公金受取口座の登録手続きと注意点を解説
【年金】8月から送付開始「意向確認書」の簡易書留《届く人・届かない人》の条件とは?公金受取口座の登録手続きと注意点を解説

1. 【2026年8月~】簡易書留で「公金受取口座登録の意向確認書」が届いたら?

公金受取口座登録の意向確認書「4つのポイント」1/3

意向確認書について知っておきたいポイント

出所:厚生労働省・日本年金機構「年金振込口座の公金受取口座登録について 【意向確認書に関するご案内】をもとにLIMO編集部作成

1.1 そもそも「公金受取口座」とは?

公金受取口座は、給付金や還付金などの行政からの支払いをまとめて受け取れるよう、マイナンバーとひも付けて登録しておく口座です。

公金受取口座登録法の改正により、年金の振込口座についても、本人の意向を確認したうえで公金受取口座として登録する仕組みが新たに設けられました。

1.2 ポイントは「何もしなければ登録される」という点

今回の意向確認書で見落としやすいのが、「手続きをしない=何も変わらない」ではないという点です。

受け取ってから45日以内に不同意の手続きをしなければ、年金支給口座の情報とマイナンバーが自動でデジタル庁に提供され、登録が完了します。「開封せず置いていたら、いつの間にか登録されていた」ということも起こり得るため、届いた時点でまず中身を確認しておくことが大切です。

1.3 送付対象になるのはどんな人?対象外になる5つのケース

意向確認書が送付されるのは、2026年4月15日時点で65歳以上(1961年4月16日以前生まれ)で、年金を受給中の方です。ただし、次のいずれかに当てはまる場合は送付されません。

  • すでに公金受取口座の登録を済ませている方
  • 2026年4月に年金の支給がなかった方(全額支給停止や振込不能など)
  • 海外に居住している方
  • 共済組合などから支給される年金のみを受給している方
  • 2025年6月以降の年金請求手続きで、公金受取口座への登録意思をすでに示している方 など

1.4 登録を希望しない場合は、どう手続きすればいい?

登録を希望する場合は、これまで説明した通り特別な手続きは不要です。

反対に希望しない場合は、意向確認書の下部分にある「公金受取口座登録不同意申出書」を切り取り、同封の目隠しシールを貼って裏面に差出人情報を記入したうえで、返送期限(目安)までにポストへ投函してください。

登録を希望しない場合は?

公金受取口座登録不同意申出書の記入イメージ

出所:厚生労働省・日本年金機構「年金振込口座の公金受取口座登録について 【意向確認書に関するご案内】」をもとにLIMO編集部作成

1.5 見落としやすい3つの落とし穴

「45日」を過ぎると自動的に同意扱いになる

意向確認書を受け取ってから45日以内に不同意申出書の返送がない場合、登録に「同意」したものとみなされ、自動的に公金受取口座として登録されます。

不在等で受け取れなかった場合は登録されない

不在等により書類自体を受け取れなかった場合は「意向確認ができなかった」ものとして扱われ、口座が勝手に登録されることはありません。

不同意申出書を紛失した場合は「専用ダイヤル」へ

不同意申出書は再発行できません。ただし、任意の様式で提出できる場合があるため、紛失した際は速やかに「意向確認書照会専用フリーダイヤル」へ相談しましょう。

1.6 いつ届く?困ったときの相談先

意向確認書は、2026年8月から2027年2月(予定)の期間にわたって、順次発送される計画です。また、2026年8月4日より「意向確認書照会専用フリーダイヤル」が設置されています。

  • 意向確認書照会専用フリーダイヤル: 0120-74-0011(※フリーダイヤルが利用できない場合は 050-3524-7372)

また、公金受取口座登録制度など、マイナンバー制度に関する全般的な問い合わせは「マイナンバー総合フリーダイヤル」が電話窓口となります。

  • マイナンバー総合フリーダイヤル: 0120-95-0178

市区町村役場や年金事務所の窓口では、この件に関する問い合わせには対応していません。確認や相談が必要な場合は、必ず上記の専用フリーダイヤルを利用するようにしましょう。

監修者:熊谷 良子

公金受取口座の登録というと「勝手に手続きが進むなんて」と不安に思う方も多いかもしれません。ただ実際の仕組みを整理すると、「同意」なら何もしなくてよく、「不同意」なら申出書を返送する、というシンプルな二択です。

むしろ注意したいのは、45日という期限と、書類自体を受け取れなかった場合は登録が保留になるという点です。

意向確認書は再発行できない書類なので、届いたらまず中身を確認し、判断に迷ったら専用フリーダイヤルに相談する。この一手間が、後々のトラブルを防ぐことにつながります。