3. 枠を使いきるまでの年数を考えてみる
1800万円という枠は、年間の投資枠との組み合わせで意味が変わります。
3.1 年360万円なら5年で使いきる計算
つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円を毎年上限まで使えば、年360万円です。この場合、1800万円を使いきるまでに5年かかります。
一方、つみたて投資枠だけで月10万円を積み立てると年120万円ですので、1800万円に達するまでには15年かかる計算です。どちらが良いという話ではなく、家計から出せる金額で決まります。
3.2 急いで埋める必要はない
NISAは非課税保有期間が無期限で、口座開設期間も恒久化されています。以前の制度のように「今年の枠を使わないと消える」という性質が薄れました。
無理に枠を埋めようとして生活資金まで投じてしまうと、値下がりしたときに売らざるを得なくなります。生活防衛資金を確保したうえで、続けられる金額から始めるほうが結果的に長く続きます。
4. 口座と金融機関について確かめておきたいこと
制度の使い勝手に関わる点もいくつかあります。
4.1 口座は1人1つ、金融機関の変更は年単位
金融庁によると、NISAを利用するには銀行や証券会社などにNISA口座を開設する必要があり、口座は1人につき1口座のみです。対象になるのは、利用する年の1月1日時点で18歳以上の国内に住んでいる人です。
金融機関の変更は年単位で可能です。ただし、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で利用することはできません。同じ金融機関のなかで両方を使う形になります。
4.2 損益通算や繰越控除はできない
NISA口座で得た利益が非課税になる一方で、損失が出た場合の扱いには注意が必要です。NISA口座の損失は、課税口座の利益と相殺する損益通算ができません。翌年以降への繰越控除もできません。
非課税というメリットの裏側にある取り扱いですので、課税口座と併用している場合は押さえておきたいところです。
5. まとめにかえて
新NISAの非課税保有限度額は1800万円で、つみたて投資枠だけで使いきることもできます。成長投資枠だけを利用する場合の上限は1200万円です。
枠は買付け残高で管理されるため、売却して翌年以降に戻るのは買ったときの金額の分だけになります。年間の投資枠はつみたて120万円・成長240万円で、合わせて年360万円です。
制度が恒久化され、非課税保有期間も無期限になりました。急いで枠を埋めるより、続けられる金額を決めるところから始めてみてください。