5. 【老齢年金生活者支援給付金】納付180月+全額免除300月なら月9463円

年金生活者支援給付金は、保険料を納めた期間だけでなく、免除を受けた期間も別の単価で上乗せされます。令和8年度は納付済期間が月5620円、全額免除・4分の3免除・半額免除の期間が月1万1768円、4分の1免除の期間が月5884円で計算されます。

納めた期間と免除された期間では、給付金の計算で使う単価が違います。免除期間のほうが高く設定されているため、組み合わせによっては意外な結果になります。

5.1 納付180月+全額免除300月の内訳は月9463円

  • 納付済期間分:5620円×180月÷480=2108円
  • 免除期間分:1万1768円×300月÷480=7355円
  • 合計:月額9463円
  • 年額:11万3556円
  • 40年フル納付(月5620円)との比較:40年フル納付の月5620円を3843円上回ります

納付180月と全額免除300月の場合の年金生活者支援給付金の内訳5/5

納付180月と全額免除300月の場合の年金生活者支援給付金の内訳

出所:日本年金機構「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」を参考にLIMO編集部作成

免除期間の単価は納付済期間のおよそ2.1倍に設定されています。そのため免除期間が長いこのケースでは、40年フルに納めた場合よりも給付金が多くなります。

※金額は円未満を四捨五入しました。なお全額免除も4分の3免除も半額免除も単価は1万1768円で共通のため、どの区分でも給付金は同額になります。本ケースは5620円×180÷480=2108円と1万1768円×300÷480=7355円の合算です。

この9463円という金額は、年金生活者支援給付金だけを取り出したものです。全額免除の300月分は老齢基礎年金の計算でも減額されるため、年金と給付金を合わせた総額でみれば納付済期間が長いほうが有利になります。

5.2 【追納したら】全額免除の300月を納付済に変えると月5620円になる

免除を受けた300月をすべて追納して納付済期間に変えると、納付480月となり給付金は月9463円から5620円に減ります。差は月3843円、年額では4万6116円です。追納すると給付金は減るという、直感に反する結果になります。

ただし給付金だけで判断するのは危険です。全額免除の期間は老齢基礎年金の計算でも減額されており、追納すればその期間が満額の計算に変わります。老齢基礎年金の増加分は給付金の減少分を上回るのが通常です。

免除期間の追納には10年という期限があります。まずはねんきんネットで、どの月がどの区分になっているかを確かめてみてください。今回の全額免除300月が追納の対象になるかどうかも、あわせて確認しておきたいところです。

6. 年金生活者支援給付金で年齢が問われるのは老齢だけ

年金生活者支援給付金の3種類のうち、年齢の要件があるのは老齢だけです。65歳以上の老齢基礎年金の受給者で、世帯全員の市町村民税が非課税、前年の年金収入等が80万9000円以下という3点を満たす方が対象になります。

障害と遺族は年齢を問われません。障害基礎年金または遺族基礎年金の受給者で、前年の所得が479万4000円以下であることが条件です。

2026年度の月額は老齢の基準額5620円、障害1級7025円・2級5620円、遺族5620円で、前年度から+3.2%の増額改定となりました。老齢だけは基準額をもとに保険料納付済期間や免除期間から計算されます。自分が対象になるか判断しづらいときは、年金事務所へ相談してみてください。

参考資料

齊藤 慧