70歳代の貯蓄額と聞くと、どれくらいを思い浮かべるでしょうか。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」によると、70歳代の二人以上世帯の金融資産は平均2416万円、中央値1178万円でした。ただし内訳を見ると、3000万円以上が25.2%を占める一方、500万円に届かない世帯も31.0%あります。
この記事では、70歳代の貯蓄がどのように分かれているのか、単身世帯ではその差がどう変わるのか、そして60歳代からの1年でどれだけ目減りしているのかを確認していきます。
なお、70歳代の貯蓄・家計の実態、および貯蓄額の平均と中央値の見方に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 70歳代の二人以上世帯は平均2416万円、中央値1178万円。3000万円以上が25.2%、500万円未満が31.0%
- 単身世帯は平均1489万円、中央値500万円。500万円未満が47.0%と半数近くを占める
- 60歳代と比べると平均で267万円、中央値で222万円下がっている
1. 70歳代の貯蓄は上と下に分かれている
まずは二人以上世帯の数字から確認していきます。ここでの金融資産保有額は、資産を持っていない世帯も分母に含めた数値です。
1.1 平均2416万円に対し、中央値は1178万円
70歳代の二人以上世帯(1083世帯)の金融資産は、平均2416万円、中央値1178万円でした。平均が中央値の2倍を超えています。
金額帯ごとの分布は、LIMOの記事「【70代の貯蓄・年金・家計のリアル】老後赤字を加速させないためには?投資に頼らない防衛策を徹底解説!」で詳しく解説されているため、要点を引用して確認しておきましょう。
- 1000〜1500万円未満:11.1%
- 1500〜2000万円未満:6.7%
- 2000〜3000万円未満:12.3%
- 3000万円以上:25.2%
- 無回答:0.6%
出所:【70代の貯蓄・年金・家計のリアル】老後赤字を加速させないためには?投資に頼らない防衛策を徹底解説!
1.2 500万円に届かない世帯が31.0%
下の側も見ておきます。500万円未満の内訳は次のとおりです。
- 金融資産非保有:10.9%
- 100万円未満:4.5%
- 100万円以上200万円未満:5.1%
- 200万円以上300万円未満:3.7%
- 300万円以上400万円未満:3.9%
- 400万円以上500万円未満:2.9%
合計すると31.0%です。3000万円以上の25.2%と合わせると、この2つの端だけで56.2%になります。中央値の1178万円のあたりに人が集まっているわけではありません。
3000万円以上と500万円未満で全体の半分以上を占めます1/2
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年」をもとにLIMO編集部作成
2. 単身世帯では差がもう一段開く
同じ調査の単身世帯を見ると、水準そのものが変わります。
2.1 単身は平均1489万円、中央値500万円
70歳代の単身世帯(519世帯)は、平均1489万円、中央値500万円でした。二人以上世帯と並べると次のようになります。
- 平均:二人以上2416万円/単身1489万円(差927万円)
- 中央値:二人以上1178万円/単身500万円(差678万円)
- 金融資産非保有:二人以上10.9%/単身20.4%
- 3000万円以上:二人以上25.2%/単身17.5%
中央値で見ると、単身は二人以上の半分に届きません。非保有の割合はほぼ2倍です。
2.2 単身では500万円未満が47.0%
単身世帯で500万円に届かないのは47.0%でした。二人以上世帯の31.0%に対して16ポイント高く、半数近くがこの層にいることになります。
世帯人数が減れば生活費も多少は下がりますが、住居費や光熱費の基本料金は半分にはなりません。金額が少ないうえに1人分の年金で支えることになるため、二人以上世帯より条件は厳しくなります。
単身世帯では500万円未満が半数近くを占めます2/2
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年」をもとにLIMO編集部作成
3. 60歳代からの1年で目減りしている
年代をまたいで比べると、70歳代に入ってからの動きが見えてきます。
3.1 平均は267万円、中央値は222万円下がる
同じ調査の二人以上世帯で、60歳代と70歳代を並べます。
- 平均:60歳代2683万円 → 70歳代2416万円(267万円減)
- 中央値:60歳代1400万円 → 70歳代1178万円(222万円減)
- 3000万円以上:60歳代27.2% → 70歳代25.2%
- 金融資産非保有:60歳代12.8% → 70歳代10.9%
平均も中央値も下がっている一方で、非保有の割合はむしろ減っています。上の層が取り崩しで下がってきているという読み方ができます。
平均と中央値の開きをどう受け止めるかについては、LIMOの記事「【全世代(20〜70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」」から要点を引用しておきます。
貯蓄額の統計データを調べると「平均値」と「中央値」の金額に大きな開きがあり、戸惑う方も少なくありません。大切なのは、一部の富裕層に引き上げられた平均値に惑わされず、現実の実態を正しく把握した上で自分に合った貯蓄ペースを作ることです。
出所:【全世代(20〜70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」
70歳代は分布の幅がいちばん広がる年代です。平均額と自分を比べても得られるものは多くありません。世帯の形と手元の残高、そして毎月の不足額。この3つを並べたほうが、次にやることが決まりやすくなります。


