年金に上乗せして受け取れるお金があると聞いても、自分が対象なのかどうかは判断しにくいのではないでしょうか。通知が届いて初めて知ったという方もいます。
その一つが年金生活者支援給付金です。2026年度の基準額は月5620円で、前年度から3.2%の引き上げとなりました。
ただし、この給付金は支給要件を満たしていても自動では受け取れません。請求手続きをして初めて年金に上乗せされる仕組みです。
この記事では、年金生活者支援給付金の給付額と支給要件、そして手続きの流れを公的資料で整理します。
なお、年金生活者支援給付金の制度内容や年金の平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
- 2026年度の年金生活者支援給付金は前年度から3.2%引き上げ、老齢の基準額は月5620円
- 老齢年金生活者支援給付金は65歳以上・世帯全員が市町村民税非課税・所得80万9000円以下が要件
- 2025年3月時点の平均給付月額は老齢が4146円。基準額どおり受け取れるとは限らない
1. 年金の平均月額は厚生年金15万289円、受給額の個人差は大きい
年金の受給額には大きな個人差があります。平均的な水準については、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。
厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円(いずれも国民年金の金額を含む)。国民年金は〈全体〉5万9310円、〈男性〉6万1595円、〈女性〉5万7582円です。年金の受給額はこれまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
年金だけで暮らしを組み立てるとなると、この水準では心もとないと感じる方もいます。そこで用意されているのが、年金に上乗せされる給付金です。
2. 年金生活者支援給付金は月5620円が基準額、2026年度は3.2%の引き上げ
年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得額が一定基準以下の年金生活者を支援するために、2019年にスタートした制度です。給付金は2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。
受給中の年金によって、次の3種類に分かれます。それぞれに支給要件と支給額(基準額)が設定されています。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
2.1 【2025年→2026年】年金生活者支援給付金の支給金額
2026年度の年金生活者支援給付金の給付金額は、前年度から3.2%の引き上げとなりました。
【2026年度】
- 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5620円
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円
出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
老齢年金生活者支援給付金については、この基準額をもとに、保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。
上記はいずれも月額です。支給日には2カ月分がまとめて年金に上乗せされます。
金額どおり受け取れる場合、1回の支給で約1万1000円、年額では約6万7000円になります。
ただし、全員が基準額を満額で受け取っているわけではありません。
「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2025年3月における平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4146円、障害年金生活者支援給付金5727円、遺族年金生活者支援給付金5228円です。
老齢は保険料の納付済期間に応じて計算されるため、基準額より低くなる方が多いという結果です。
※2025年3月において認定されている平均給付金額です。
3. 年金生活者支援給付金の支給要件は所得479万4000円以下など
年金生活者支援給付金の支給要件について見ていきましょう。
「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)を受給中で、前年の所得が479万4000円以下の人が対象です。
給付金の判定に用いる所得には、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。また、扶養親族などの数に応じて、所得の基準額は上がります。
「老齢年金生活者支援給付金」については、本人の所得以外の要件がいくつか加わります。
3.1 老齢年金生活者支援給付金は65歳以上・世帯全員非課税・所得80万9000円以下
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす人です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下
出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
老齢年金生活者支援給付金の判定にも、障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
見落としやすいのが2つ目の要件です。本人が非課税でも、同じ世帯に課税されている家族が1人でもいれば対象になりません。
また「基準額ギリギリで給付対象となる人」との間に不公平感が生じないように、「基準額をわずかに超えて給付対象外となる人」には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
3.2 補足的老齢年金生活者支援給付金は基準額を超えた人に支給
昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
所得が増えるにつれて、補足的老齢年金生活者支援給付金の給付額は減ります。



