5. 【資産寿命】貯蓄1500万円を毎月3万円ずつ取り崩すと41.7年
使うペースが定まると、いつまで持つかの見通しも立てられます。
ここでは貯蓄1500万円を毎月3万円ずつ取り崩す場合を試算します。年金と支出の差額が月3万円ある方が対象のイメージです。
5.1 1500万円は41.7年分。100歳を超える計算
- 貯蓄額:1500万円
- 毎月の取り崩し額:3万円
- 年間の取り崩し額:36万円
- 資産寿命:41.7年
- 65歳から始めた場合:106歳頃まで
4/4
出所:LIMO編集部作成
65歳から取り崩し始めても、100歳を超えるところまで持つ計算です。平常時の生活費という点では、かなり余裕がある水準といえます。
※1500万円÷(3万円×12)で求めた単純計算です。運用益や物価上昇、介護費用や住宅修繕といった突発的な支出は考慮していません。
取り崩し額を月1万円減らして2万円にすると、資産寿命は62.5年へ20.8年延びます。ただしこの水準になると、資産寿命よりも突発的な支出への備えが論点になります。
5.2 運用益が取り崩し額にほぼ追いつく
残った資産を年率2パーセントで運用しながら取り崩す場合、月3万円というペースでは運用益が取り崩し額にほぼ追いつきます。つまり資産が実質的に減りにくい水準ということです。
1500万円に対して年率2パーセントなら運用益は年30万円で、取り崩し額の年36万円に近い金額になります。差が小さいため残高の減り方はゆるやかになります。
ただし運用には値動きがあり、この年率が保証されるわけではありません。取り崩しの初期に大きく下落すれば、想定より早く資産が減ることもあります。使う予定が近い資金は運用に回さず現金で持つ、下落した年は取り崩し額を抑えるといった工夫で影響を和らげられます。
貯蓄1500万円を月3万円で取り崩すなら、平常時の生活費という点では余裕があります。むしろ介護費用や住宅修繕といったまとまった支出に備えておくことが大切です。生活費の半年分から1年分は現金で確保したうえで検討してみてください。
6. 老後資金は70歳代の中央値1178万円を目安に考える
70歳代・二人以上世帯の貯蓄は平均2416万円ですが、中央値は1178万円です。金融資産を保有していない世帯が10.9%、3000万円以上の世帯が25.2%と、同じ年代のなかで大きく分かれています。
年金は厚生年金が平均月15万289円、国民年金が平均月5万9310円です。厚生年金では男女差が約5万8000円あり、世帯の組み合わせによって収入は変わります。
65歳以上の夫婦のみ無職世帯は毎月約4万2000円が不足し、1年で約50万円の取り崩しになります。中央値1178万円なら23年分です。自分の残高と不足額から、必要な期間をまず逆算してみてください。
参考資料
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
齊藤 慧