4. 【試算】保険料14年(168月)分だと年金生活者支援給付金はいくらか

480月を納め切れば給付基準額の満額、短くなれば比例して減る。老齢年金生活者支援給付金の金額は、この単純な関係だけで決まります。

今回は納付済期間が168月、14年間のケースを取り上げます。

4.1 月1967円は基準額5620円の3分の1をやや上回る水準

計算した内容は次のとおりです。

  • 保険料納付済期間:168月(14年)
  • 月額:1967円
  • 年額:2万3604円
  • 満額(480月)の月5620円との差:月3653円
  • 20年間受け取った場合の累計:47万2080円

保険料を14年(168月)納めた場合の年金生活者支援給付金5/5

保険料を14年納めた場合の年金生活者支援給付金の月額と年額

出所:日本年金機構「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」を参考にLIMO編集部作成

受け取れるのは月1967円で、基準額5620円の3分の1をやや上回る水準です。満額の方との差は月3653円になります。

20年間受け取り続けた場合、累計は47万2080円に届きます。毎月の金額では実感しにくくても、長い目で見れば無視できない差といえるでしょう。

※計算式は5620円×納付済月数÷480で、円未満は四捨五入しました。このケースでは5620円×168÷480=1967円です。免除を受けた期間は別枠で加算されるため、この金額には含まれていません。

168月に見合う老齢基礎年金は年29万6554円程度です。金額が抑えられている分だけ所得の要件は満たしやすく、受給資格期間の10年もクリアしているため年金の受け取りには支障がありません。

4.2 180月にすると月2108円。年2万5296円まで届く

12月分を上積みすると、給付金は141円増えて月2108円になります。年額は2万5296円で、20年分の累計は50万5920円です。

168月から180月へ進める方法は2通りあります。60歳以降に国民年金へ任意加入するか、保険料の免除や納付猶予を受けた期間を追納するかです。任意加入を使えるのは原則60歳から65歳までの間で、受給資格期間を満たしていない方は生年月日などの条件により70歳まで加入できる場合があります。追納の対象は承認された月の前10年以内の免除・猶予期間にあたり、未納だった月は納付期限から2年以内であれば納められます。

任意加入や未納分の納付で積み増す場合、かかる保険料は令和8年度の月額1万7920円で計算して12月分で約21万5000円。給付金の増加は年1692円ですから、給付金単体では長期戦になります。老齢基礎年金が年2万1182円ほど増える点を合わせれば、10年程度で見合う計算です。

では免除期間を追納するのは得なのでしょうか。給付金だけで見れば、答えは減るほうです。

全額免除・4分の3免除・半額免除の期間分には月1万1768円という単価がつき、納付済期間分の5620円の約2.1倍にあたります。追納で納付済期間へ移ると、この差のぶん給付金は下がります。

それでも老齢基礎年金は確実に増えるので、追納は年金本体を増やす手段と位置づけるのが妥当です。4分の1免除の期間分は月5884円で、納付済期間分とほぼ同じ水準にあります。

学生納付特例と納付猶予の期間は、給付金の免除期間には含まれません。この2つを追納した場合は、給付金も納付済期間分として増えます。

※免除期間分の単価は昭和31年4月2日以後に生まれた方の金額です。同年4月1日以前に生まれた方は、全額免除・4分の3免除・半額免除の期間が月1万1734円、4分の1免除の期間が月5867円となります。

480月まではあと312月分あります。加入記録はねんきんネットで随時確かめられます。未納の月が残っていれば、まだ手を打てる余地があるということです。

5. 【まとめ】年金生活者支援給付金は種類ごとに要件が違う。老齢は世帯の課税状況も確認

年金生活者支援給付金は老齢・障害・遺族の3種類で、それぞれ支給要件が異なります。老齢は65歳以上であること、世帯全員の市町村民税が非課税であること、前年の年金収入等が80万9000円以下であることの3つがそろって対象になります。

障害と遺族の給付金は、世帯の課税状況を問わず本人の所得で判定され、前年の所得479万4000円以下が目安です。給付基準額は物価変動に応じて改定され、2026年度は3.2%増の月5620円になりました。

受け取るには請求手続きが必要で、対象と判定された方には請求書が郵送されます。年金額が基準に近い方は、届いた通知を確かめたうえで、判断に迷う点を年金事務所へ相談してみてください。

参考資料

齊藤 慧