4. 年金にかかる所得税・住民税をもう少し詳しく
ここからは、天引きのなかでも分かりにくい税金について、もう一歩踏み込んでみていきます。
4.1 年金から引かれる所得税はどう決まる?税率は5.105%
日本年金機構によると、年金から源泉徴収される所得税および復興特別所得税は、年金の支払額から社会保険料や各種控除(扶養控除や障害者控除など)を差し引いた後の額に、5.105%の税率を掛けて計算されます。
つまり、控除が多いほど差し引かれる所得税は少なくなります。「扶養親族等申告書」を提出することで受けられる控除もあるため、対象になる方は忘れずに手続きしておきたいところです。
4.2 住民税・所得税が天引きされない年金もある—障害・遺族年金は非課税
すべての年金に税金がかかるわけではありません。日本年金機構によると、所得税・住民税の課税対象となるのは老齢(退職)を支給事由とする年金だけで、障害年金や遺族年金は非課税です。
そのため、障害年金・遺族年金を受けている方には所得税はかからず、公的年金等の源泉徴収票も送付されません。自分が受けている年金がどれに当たるかで、天引きの有無も変わってくるということです。
5. 編集部アドバイス:手取りをふまえて備えるために年金振込通知書の確認を
6. 年金振込通知書で振込額がわかる。10月の年金で確認したい3つのこと
年金の通知額は「額面」で、実際には介護保険料や住民税、所得税などが天引きされ、手取りはそれより少なくなります。しかも住民税などの天引きは、4・6・8月の仮徴収と10・12・翌2月の本徴収に分かれ、多くの自治体では10月から本徴収に切り替わります。前年の所得が下がった人は、この10月から手取りが増えることがあります。
10月を迎えたら、次の3つを確認しておきましょう。
- 年金振込通知書で、10月の「実際の振込額(手取り)」がどう変わったかを確認する
- 手取りが増減した理由(仮徴収から本徴収への切り替え・前年所得の変化)をおさえ、一喜一憂しすぎない
- 扶養親族等申告書や医療費控除など、使える控除を見直して負担を抑える
大切なのは、額面ではなく手取りという現実の数字から家計を考えることです。まずは10月の振込通知書を確かめるところから始めてみてください。
参考資料
- 総務省「地方税制度|公的年金からの特別徴収」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税および森林環境税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」
- 日本年金機構「障害年金や遺族年金を受けている人にも公的年金等の源泉徴収票は送付されるのでしょうか。」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
宮野 茉莉子

