レインボーフェスタ和歌山開催の手応え
――レインボーフェスタ和歌山を開催することで周囲や自分たちに変化はありましたか?
「3回目の今回は確かな手応えがいくつかありました。会場の運営本部に来て『来年はスタッフとして参加したい』と言ってくれる性的マイノリティの当事者が何人も現れました。3回目にして初めてのことです。その中には外国から働きに来ているという当事者もいます」
――イベントの認知度が上がってきたということでしょうか。
「そうですね。ほかにも『今年は開催日が早いね(第1回・第2回は今回より1週遅い9月21日頃の開催だった)』と声をかけてくれた人もいて、じわじわと地元市民に定着しつつあるのかな、という感触がありました。マイノリティが存在することを市民が意識できる素地が少しずつでき始めているように感じています」
レインボーフェスタ和歌山とマイノリティの今後
――今後はレインボーフェスタ和歌山をどのような発展させたいと考えていますか?
「レインボーフェスタ和歌山は、昨年の『わかやま市民協働大賞』で奨励賞をいただきました。私たちの存在やイベントを認識してもらえただけでなく、和歌山市主催の賞で評価してもらえたことはとてもうれしいことです。
行政から評価されたことで「レインボーフェスタ和歌山」というイベントの存在がマイノリティの人にもそうでない人にも伝わる機会が増え、今回、運営に声をかけてくださる人の増加につながったのではないかと思います。
来場者からは早くも来年に期待するという声が、県や市の部署や地元企業からは協働を希望する声が聞こえてきています。これからも少しずつですが、新しい取り組みをしていけるのではないかと考えています。
マイノリティとされている人もそうでない人も、自身の素性を隠すことなく「素顔の自分」で気楽に生きていける和歌山、誰にも気兼ねなく参加できるイベントをつくっていきたいです」
――次回開催の成功をお祈りいたします。ありがとうございました。
まとめ
マイノリティとされる人たちの生の姿、生の声をお届けしました。どの人も「知りたい」、「知ってほしい」という気持ちを持って動く人たちです。本稿で紹介した人たちだけでなく、マイノリティやその支援者らの多くが思っていることではないでしょうか。
残念ながら現在は、よくわかっていない・知識がない人がわからないままに、自分が持つイメージだけを頼りに、マイノリティの存在を否定したり人権を損なったりという発言を、SNS等で憚ることなくしている様子が散見されます。否定的なことを言う人の大抵は、そのことについてよくご存じない人です。
本稿をお読みくださったみなさんにも、どんなものごとについてもまずは基礎的な知識を仕入れ、そして考えてみていただきたいと思います。それにはまず、当事者に接してみるのが近道ではないでしょうか。
ここ数年、レインボーイベントが開催される地方が増えてきました。北海道から沖縄まで、いくつかの主立った都市で開催されています。秋はレインボーイベントの季節でもあります。ぜひとも、お近くのイベントに足を運び、マイノリティの実際をご自身で確かめてください。
衛澤 創