前編に引き続き、レインボーフェスタ和歌山についてお話しします。前編では「レインボー」の意味や性的マイノリティとはどんな人なのかなどのお話をしました。少しだけおさらいをして、本稿ではレインボーフェスタ和歌山の会場の様子と実行委員会へのインタビューをお伝えします。
レインボーフェスタ和歌山と多様性
レインボーフェスタ和歌山は社会においてのマイノリティ(少数派)にスポットを当て、しばしば「いないこと」にされてしまいがちなマイノリティが「私たちはここにいる」とアピールし、マイノリティもマジョリティ(多数派)も互いを尊重しながら「いっしょくた」になって楽しみましょうというお祭りです。
身体や精神に障害がある人、日本ではない国にルーツを持つ人、難病の人、珍種の動物を飼う人や勉強大好きな人、学校に行かない人など、社会にはさまざまなマイノリティが存在します。そのあらゆる人たちが、またマイノリティではない人たちも、垣根なくみんな「いっしょくた」になって楽しめるお祭りをつくろう、という目的でレインボーフェスタ和歌山は開催されます。
「レインボー」とはもともとは性の多様性を表し、性的マイノリティのシンボルでもあります。レインボーフェスタ和歌山は当初は性的マイノリティについての啓発を目的に企画されましたが、現在はあらゆる人が存在して当たり前なのだという多様性を祝うお祭りとして開かれています。
きっかけとなった性的マイノリティについては、前編で項を設けて、かんたんにではありますが説明していますので、そちらをご覧ください(『マイノリティってなんだろう〜性的マイノリティのこと』)。
レインボーフェスタ和歌山の会場の様子
レインボーフェスタ和歌山は9月14日(土)15日(日)の2日間、和歌山市内にある和歌山城西の丸広場で開催されました。筆者はその1日目に会場にお邪魔して、取材をさせていただきました。
会場には企業や市民グループなどのブースや国内各地のおいしいものの屋台が並び、正面にはステージが設置されています。好みのおいしいものを食べながら、ブースを巡って知りたい情報を得たり、ステージでのパフォーマンスを見たりして楽しむことができます。
健聴者もろうあ者も一緒に手話で歌う
Rainbow Sign Orchestraは手話で歌うグループ。ろうあの人も健聴者もどちらもいますが、いずれもゲイ(男性の同性愛者)の人たちです。異性愛の人たちの中に聞こえない・話せない人がいるのと同じように、ゲイの中にもろうあの人がいます。
彼らは国内各地で行われる性的マイノリティの催しであるレインボーイベントにたびたび出掛け、手話によるパフォーマンスを行うことで、見る人に手話を身近に感じてもらえるよう活動しています。
障害者支援センターのジャンベ
こちらは和歌山市内の精神障害者支援センター櫻の通所者・職員合同のジャンベ演奏です。西アフリカ起源の太鼓ジャンベはバチを使わず手で叩きます。叩き方や叩く場所によって音の高低が変わり、倍音なども出せますが、演奏できるようになるまではずいぶん練習が必要です。
とてもめずらしい楽器ですが、支援センター櫻では毎週ジャンべを練習する日が設けられています。地域のイベントなどに招かれては演奏を披露しています。