2026年8月14日の東京株式市場は、日経平均株価が4営業日続伸となりました。この日は特別清算指数(SQ)の算出日にあたり値動きが大きくなりやすいなか、前日13日の米国株高の流れを引き継いで始まり、朝方はAI・半導体関連株を中心に買われました。もっとも、後場にかけてはポジション調整や利益確定の売りに押され、上げ幅を縮めて取引を終えています。

こうした地合いのなか、トリドールホールディングス(3397)は、前日比96円安(2.23%安)の4,203円で取引を終えました。この日は寄り付きの4,368円から一時4,436円まで上値を試す場面もありましたが、同社が13時に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4月~6月期)決算を受け、発表直後は安値4,145円まで急落。売上収益は第1四半期の会計期間として過去最高を更新したものの、人件費等の増加により営業利益は前年同期比34.3%減となったことが、株価の重しとなったとみられます。

1. この記事を読むとわかる3つのポイント

  • トリドールHD(3397)2027年3月期1Q決算の内容と株価の動き
  • 丸亀製麺・国内その他は増収も人件費増で減益、海外事業は1Q事業利益として過去最高
  •  株主優待の贈呈基準と継続保有優遇制度

2. 最新決算:売上高は過去最高も、営業利益は34.3%減

2027年3月期第1四半期の連結業績は、売上収益723億1,800万円(前年同期比+3.5%)、事業利益57億7,600万円(同9.3%減)、営業利益52億9,400万円(同34.3%減)、四半期利益30億3,100万円(同31.0%減)でした。通期計画(売上収益2,870億円、営業利益170億円、純利益70億円)に対する進捗率は、売上収益25.2%、営業利益31.1%、純利益43.3%となっています。

事業利益(売上収益から売上原価と販管費を差し引いたもの)の減益率が9.3%だったのに対し、営業利益の減益率が34.3%とより大きくなったのは、海外子会社における事業再建に伴い、閉店店舗のリース解約益や固定資産除却損、一過性の構造改革費用等を計上したためです。この結果、その他の営業収益は13億7,900万円、その他の営業費用は16億6,500万円となりました。

2027年3月期の通期業績予想は、5月15日公表の内容から変更はなく、売上収益2,870億円(前期比+3.0%)、営業利益170億円(同+60.7%)、純利益70億円(同+202.9%)を据え置いています。配当予想も1株当たり年間12円(中間0円、期末12円)で変更はありません。

なお、この日終値ベースのPER(会社予想、1株当たり予想利益75.10円で算出)は56.0倍、PBR(実績)は4.00倍、配当利回り(会社予想)は0.29%です。

3. 事業モデル:海外事業に強み

同社は、讃岐うどん専門店「丸亀製麺」を中核に、国内外で外食事業を展開しています。決算は「丸亀製麺」「国内その他」「海外事業」の3セグメントに分けて開示されており、国内の丸亀製麺が人件費増で苦戦する局面でも、海外事業が業績を下支えする、という分散型の経営が特徴です。

1Q決算における海外事業の割合は、売上収益ベースで約35%、事業利益ベースで約32%となっています。

2026年6月末時点の店舗数は連結で2,080店舗(丸亀製麺899店舗、国内その他299店舗、海外事業882店舗)で、30の国と地域に展開しています。

4. 丸亀製麺・国内その他は人件費増で減益、海外事業は1Q事業利益として過去最高

丸亀製麺セグメントの売上収益は365億900万円(前年同期比+3.2%)と1Q会計期間として過去最高となったものの、人材充足に伴う人員増などで人件費率が上昇し、事業利益は56億6,500万円(同16.0%減)と減益になりました。国内その他セグメント(コナズ珈琲、ラー麺ずんどう屋など)も売上収益104億6,200万円(同+5.0%)と過去最高でしたが、同様に人件費増の影響で事業利益は9億6,400万円(同15.0%減)でした。

一方、海外事業セグメントは、香港などで展開する「Tam Jai」の既存店・新店が好調に推移したほか、アジアや北米に展開する「MARUGAME UDON」も台湾や米国で増収増益となりました。セグメント全体では売上収益253億4,600万円(同+3.4%)、事業利益18億5,300万円(同62.6%増)と、事業利益は1Q会計期間として過去最高を記録しています。英国でピザ店「Franco Manca」を展開するFulham Shoreは、不採算店舗の閉店・撤退など事業再建を進めた影響で売上収益は減少したものの、継続事業(既存店ベース)では増収増益だったとしています。

ここまでをまとめると、トリドールHDの2027年3月期1Qは、売上収益が過去最高を更新する一方、国内の人件費増と海外子会社の事業再建費用が響き、営業利益・純利益は減益という決算でした。それでも通期計画に対する進捗率は概ね順調で、会社側も通期業績予想を据え置いています。

次のページでは、同社の株主優待の贈呈基準を詳しく解説します。