8月14日は年金の支給日でしたね。通帳の金額を見て、「自分の年金は、周りと比べて多いのか少ないのか」「この先、年金だけで暮らしていけるのか」と、ふと考えた方もいるかもしれません。

今回は、厚生年金・国民年金の平均年金月額を男女別に確認し、65歳以上・夫婦のみ無職世帯の家計収支、さらに働きながら受け取るときの「在職老齢年金」の注意点まで、順にみていきましょう。

※本記事は一部「「ふつう」のシニアは年金を月いくらもらってる?60歳代以上の平均額と、無職世帯のリアルな家計収支を公開」を引用のもと執筆しています。

1. この記事の3つのポイント

  •  平均年金月額は〈全体〉で厚生年金が「15万289円」、国民年金が「5万9310円」(令和6年度)。男女差も大きい
  •  65歳以上・夫婦のみ無職世帯は、平均で毎月およそ「4万2434円」の不足(2025年)
  •  働きながら受け取ると、年金と給与の合計が月「65万円」超で一部停止。ただし在職定時改定で増える面も

 

2. 公的年金は「2階建て」—まずは仕組みから

平均額をみる前に、日本の年金制度の仕組みを整理しておきましょう。

公的年金は、基礎部分となる「国民年金」と上乗せ部分にあたる「厚生年金」から成り立つ、いわゆる2階建て構造です。

厚生年金と国民年金の仕組み1/4

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1階部分の国民年金は、原則として国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入します。2階部分の厚生年金は、会社などで働く人が給与に応じた保険料を納めるため、受け取る額に個人差が出ます。この違いが、平均額の差にもあらわれます。

3. 厚生年金・国民年金の「平均年金月額」はいくら?(男女別)

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢年金の平均年金月額は次のとおりです。

国民年金の平均額(全年齢)2/4

国民年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

厚生年金の平均額(全年齢)3/4

厚生年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

3.1 厚生年金・国民年金の「平均年金月額」

  • 国民年金〈全体〉:月「5万9310円」(男性「6万1595円」/女性「5万7582円」)
  • 厚生年金〈全体〉:月「15万289円」(男性「16万9967円」/女性「11万1413円」)※厚生年金は国民年金の額を含みます

厚生年金では男女で5万円以上の差があります。現役時代の働き方・賃金・加入期間の違いが反映されるためと考えられます。

宮野 茉莉子
平均はあくまで目安です。とくに厚生年金は働き方で大きく変わるため、平均より少なくても不安になりすぎず、まずは「ねんきん定期便」やねんきんネットでご自身の見込み額を確認することから始めてみてください。

4. 65歳以上・夫婦のみ無職世帯の家計収支—毎月いくら足りない?赤字は4万円台に

では、年金で暮らすシニア世帯の家計は、実際にどうなっているのでしょうか。総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上・夫婦のみの無職世帯(世帯主の平均年齢77.6歳)の1カ月の収支は次のとおりです。

  • 実収入:「25万4395円」(うち社会保障給付が「22万8614円」で、実収入の89.9%)
  • 消費支出:「26万3979円」
  • 非消費支出(税・社会保険料など):「3万2850円」
  • 不足分:毎月およそ「4万2434円」

収入の約9割を年金などの社会保障給付が占め、それでも毎月4万円あまりが不足している計算です。裏を返せば、この不足分をどう補うかが、老後の家計を考えるうえでの一つの目安になります。