5. 【元銀行員の視点】通帳で「年金生活者支援給付金」を見分ける
窓口で通帳を拝見していると、入金の内容を正確に把握されている方は多くありませんでした。給付金を受け取れているかどうかは、通帳で確かめられます。
5.1 年金と「年金生活者支援給付金」は別々の入金として並ぶ
給付金は年金と同じ口座に振り込まれますが、年金とは別途支払われます。そのため通帳では、同じ日に2件の入金が別々に記録されます。
1件しか入金がない場合は、給付金を受け取れていないか、そもそも対象になっていない可能性があります。金額の大きいほうが年金、小さいほうが給付金にあたります。
5.2 通帳をしばらく記帳していない人は、まず記帳から
最近は通帳を持たない口座も増えましたが、記帳をしていないと入金の内訳は見えません。インターネットバンキングを使っている場合も、入金明細を一度確認してみてください。
支給日の直後は入金の反映に時間差が出ることもあるため、翌営業日以降に確かめるほうが確実です。
6. 【確認のしかた】「年金生活者支援給付金」の対象かどうかを確かめる3つの手順
請求書が届いていなくても、要件を満たしているかどうかは自分で確かめられます。順番に見ていきましょう。
6.1 65歳以上で老齢基礎年金を受けているか
老齢年金生活者支援給付金の対象になるのは、65歳以上で老齢基礎年金を受けている人です。まずここが出発点になります。
6.2 世帯全員の市町村民税が非課税かどうか
請求する人本人の所得だけでなく、その人の世帯全員の市町村民税が非課税であることも要件です。同居する子や配偶者に課税があれば、本人の年金額が少なくても対象になりません。
世帯の課税状況は、市区町村の窓口で確かめられます。
6.3 前年の所得の合計が「80万9000円以下」かどうか
前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計額が80万9000円以下であることが要件です。この金額は昭和31年4月2日以後生まれの場合で、昭和31年4月1日以前生まれは80万6700円以下になります。
この金額を超えても、90万9000円以下であれば補足的老齢年金生活者支援給付金の対象になります。
7. 【落とし穴】「年金生活者支援給付金」で知っておきたいこと
受け取れるようになった後にも、気をつけておきたい点があります。
7.1 世帯の状況が変わると対象から外れることがある
2年目以降の手続きは原則不要ですが、要件を満たさなくなれば支給は止まります。子が同居を始めて、その子に課税がある場合などが当てはまります。
逆に、世帯の状況が変わって新たに要件を満たすこともあります。その場合はあらためて請求書が届きます。
7.2 受取口座を変更したときは年金の手続きが必要
給付金は年金の受取口座に振り込まれます。口座を変更する場合は年金の受取口座の変更手続きが必要で、給付金だけを別の口座にすることはできません。
金融機関の統合や支店の再編で口座情報が変わっている場合もあるため、長く使っていない口座を受取先にしている人は一度確かめておくとよいでしょう。
8. 「年金生活者支援給付金」の判断に迷ったら年金事務所へ
2026年度の年金生活者支援給付金は月額基準額が5620円で、2か月分だと1万1240円になります。8月14日の年金支給日には、6月分と7月分がまとめて振り込まれました。
ただし実際の金額は保険料を納めた期間によって変わり、直近で公表されている平均は月4249円です。金額に幅があることは知っておきたいところです。
新たに対象になる人には9月1日から請求書が届きます。自分が対象になるかどうか、届いた書類をどう扱えばよいか迷う場合は、年金事務所やねんきんダイヤル、市区町村の窓口に相談して確かめてください。
参考資料
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」
- 日本年金機構「主な行事・通知書発送の年間予定表(2026年4月1日~2027年3月31日)」
- 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業月報(速報)令和8年3月分」
中本 智恵