5. 松屋フーズHD(9887)・吉野家HD(9861)の株主優待は「食事券」。いつもらえる?

両社とも、株主優待は生活圏で使いやすい「食事券」です。それぞれ、必要な株数や受け取れる枚数、もらえる時期に違いがあります。順にみていきましょう。

5.1 松屋フーズHD(9887)の株主優待

松屋フーズホールディングスは、100株以上を1年以上継続して保有すると優待券10枚、3年以上継続して保有すると12枚が受け取れます。継続保有の期間は、株主名簿に同一の株主番号で3回記載されると1年以上、7回で3年以上と判定されます。優待券は1枚で1食分として、「松屋」「松のや」などで利用できます。発送は毎年6月末頃で、有効期間は12カ月です。

5.2 吉野家HD(9861)の株主優待

吉野家ホールディングスの優待券は1枚500円分で、吉野家やはなまるうどんなどのグループ店舗で利用できます。受け取れる枚数は保有株数に応じて変わり、100〜199株は半期ごとに4枚、200〜999株は10枚、1000〜1999株は12枚、2000株以上は24枚です。権利確定の基準日は2月末と8月末で、それぞれ5月上旬と11月中旬に発送されます。年2回に分けて受け取れる点が特徴です。

6. 証券会社社員が考える優待を目的にするときこそ考えたいポイント

証券会社で多くの方のご相談を受けてきた経験からお伝えしたいのは、優待を目的に株を持つときこそ、「優待の魅力」と「投資としてのリスク」を分けて考える、ということです。今日からできる3つの視点をご紹介します。

まず、優待が自分の生活圏で無理なく使えるかを確認すること。よく行くお店や近くの店舗で使えてこそ、優待は暮らしのなかで生きてきます。次に、優待や配当だけでなく、株価の変動もセットで考えること。優待に魅力を感じても、株価がそれ以上に下がれば、資産全体では目減りすることもあります。投資は、生活費とは別の余裕資金で行うのが基本です。そして、必要株数や基準日、発送時期といった条件は、公式情報で確かめてから動くこと。「思っていた時期に優待が届かない」を防ぐことにつながります。

優待は、株式と長く付き合ううえでの楽しみのひとつです。それでも主役は、あくまでご自身の家計とライフプランではないでしょうか。数字や特典に振り回されず、無理のない範囲で考えていきたいですね。

宮野 茉莉子
松屋フーズと吉野家、どちらも生活に身近で、優待も食事券というわかりやすさが魅力です。ただ、100株を持つのに必要な金額は松屋フーズが約50万4000円、吉野家が約37万7400円と差があり、優待の受け取り方も、松屋は年1回・吉野家は半期ごとと異なります。証券会社時代、優待を入り口に投資を始めた方を何人も見てきましたが、長く続けられた方ほど「優待は楽しみ、判断は数字で」と切り分けていたように思います。裏を返せば、優待の魅力だけで飛びつくと、株価の変動や業績の変化に気持ちが揺れやすくなるということ。優待・配当・株価をひとまとめにせず、業績も含めてそれぞれを分けて確認していけば、ご自身に合った付き合い方が見えてくるのではないでしょうか。

7. 免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。

参考資料

宮野 茉莉子