厚生労働省が2026年7月31日、「厚生年金保険・国民年金事業月報(速報)」の令和8年3月分を公表しました。

年金生活者支援給付金として認定されていた件数は772万2077件、給付金の総額は月344億400万円でした。このうち老齢年金生活者支援給付金の平均給付金額は「月4249円」です。

年金だけで暮らす家計にとって、月に数千円の上乗せは決して小さくありません。銀行員だった頃、窓口で「年金以外にどんな支援があるのか分からない」という相談を何度も受けました。

この記事では、最新の月報で分かった4区分の内訳と、令和8年度の所得の目安、そして9月から始まる請求書の発送について解説します。

「年金生活者支援給付金」この記事の3つのポイント

  •  令和8年3月時点で年金生活者支援給付金の認定は772万2077件、給付金総額は月344億400万円と公表されました。
  •  老齢年金生活者支援給付金の平均給付金額は月4249円で、令和8年度の月額基準額は5620円に改定されています。
  •  所得が80万9000円を超えても、補足的老齢年金生活者支援給付金として103万4931件が認定されています。

厚生労働省の最新データで見る「年金生活者支援給付金」772万2077件の内訳

年金生活者支援給付金は、老齢・補足的老齢・障害・遺族の4つに分かれています。最新の月報では、それぞれの件数と平均給付金額が公表されました。

年金生活者支援給付金の区分別の件数と平均給付金額(令和8年3月)1/2

年金生活者支援給付金の区分別の件数と平均給付金額

出所:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業月報(速報)令和8年3月分」をもとにLIMO編集部作成

老齢年金生活者支援給付金の平均は月4249円

老齢年金生活者支援給付金の件数は438万4472件、給付金総額は月186億2900万円でした。1件あたりの平均給付金額は月4249円になります。

ただしこの数値は、令和7年度の月額基準額5450円のもとで支給された実績です。令和8年度は基準額が5620円に改定されているため、今後の平均は変わってきます。

障害と遺族の年金生活者支援給付金もあわせて認定されている

障害年金生活者支援給付金は222万5965件で平均5864円、遺族年金生活者支援給付金は7万6709件で平均5371円でした。

障害年金生活者支援給付金の平均が老齢より高いのは、障害等級1級の場合に月額基準額の1.25倍が支給される仕組みがあるためです。

「年金生活者支援給付金」は所得が目安を超えても対象になることがある

老齢年金生活者支援給付金には、前年の所得についての目安があります。この目安を超えた場合でも、別の給付金の対象になることがあります。

令和8年度の所得の目安は「80万9000円以下」

日本年金機構によると、老齢年金生活者支援給付金の支給要件は3つです。

  • 65歳以上で、老齢基礎年金を受けている
  • 請求する人の世帯全員の市町村民税が非課税である
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計額が80万9000円以下である

3つ目の金額は昭和31年4月2日以後生まれの場合です。昭和31年4月1日以前生まれは80万6700円以下になります。

所得の合計額で分かれる老齢年金生活者支援給付金と補足的老齢年金生活者支援給付金2/2

所得の合計額で分かれる老齢年金生活者支援給付金と補足的老齢年金生活者支援給付金

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」および厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業月報(速報)令和8年3月分」をもとにLIMO編集部作成

目安を超えても「補足的老齢年金生活者支援給付金」がある

所得の合計額が80万9000円を超えると、老齢年金生活者支援給付金の対象からは外れます。ただし90万9000円以下であれば、補足的老齢年金生活者支援給付金の対象になります。

令和8年3月時点で、この補足的老齢年金生活者支援給付金は103万4931件が認定されていました。平均給付金額は「月2232円」です。

給付額は「5620円×保険料納付済期間÷480月×調整支給率」で計算されます。調整支給率は所得が増えるほど小さくなるため、平均も老齢年金生活者支援給付金の半分程度にとどまっています。

中本 智恵
実際には目安を少し超えた人向けの給付金があるので、金額を見て早めに諦めないことが大切です。

「年金生活者支援給付金」の請求書は9月1日から順次発送される

新たに支給要件を満たすようになった人には、日本年金機構から請求書が送られます。毎年9月の第1営業日から順次発送され、令和8年は9月1日がその日にあたります。

みどり色の封筒に、はがき型の請求書が入って届く

請求書はみどり色の封筒に入って届きます。中身ははがき型の請求書で、目隠しシールが同封されています。

提出方法は郵送と電子申請の2つです。郵送の場合は、氏名などを記入して目隠しシールを貼り、切手を貼って郵便ポストに投函します。

65歳になる人は年金請求書に同封される

これから老齢年金を新規に請求する人には、65歳になる3か月前に届く年金請求書に給付金の請求書が同封されます。年金の請求と一緒に提出できるため、翌年の9月にはがき型の請求書が別に届くわけではありません。

一度認定されると、翌年以降の手続きは原則として不要です。所得の情報は市町村から日本年金機構へ連携されるため、要件を満たしていれば継続して受け取れます。

中本 智恵
給付金は年金と同じ口座に、年金とは別途振り込まれます。通帳では年金と給付金が別の記録として並ぶので、入金の内容を確かめる習慣をつけておくと安心です。
太田 彩子
自治体で国民健康保険や後期高齢者医療の保険料を計算していた立場から見ると、世帯全員が非課税かどうかは同居する家族の状況ひとつで変わります。自分の年金額だけで判断せず、世帯全体の課税状況を確かめておくことをおすすめします。