加給年金は、厚生年金を受け取る人に配偶者や子がいるときに上乗せされる仕組みです。配偶者の分だけで年42万3700円になります。

ただし誰でも受け取れるわけではありません。厚生年金保険の被保険者期間が20年以上という要件があり、19年11か月では対象になりません。

この記事では、日本年金機構の資料をもとに、加給年金の境目がどこにあるのかを確認します。

1. 【加給年金】厚生年金の加入20年が基本の要件

日本年金機構は、加給年金額について「厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方が、65歳到達時点で、その方に生計を維持されている配偶者または子がいるときに加算される」としています。

配偶者と子で加算額はどう違うか1/1

令和8年度の加給年金額

出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」をもとにLIMO編集部作成

1.1 要件は3つある

  • 厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あること
  • 65歳到達時点で、生計を維持されている配偶者または子がいること
  • 配偶者は65歳未満であること(大正15年4月1日以前生まれの場合は年齢制限なし)

子については、18歳到達年度の末日までの子か、1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子が対象です。

この3つがそろって初めて加算されます。加入期間が19年11か月であれば、ほかの条件を満たしていても対象外です。1か月足りないだけで、年42万3700円が受け取れなくなります。

1.2 令和8年度の加給年金額

加算される額は対象者ごとに決まっています。

  • 配偶者:24万3800円
  • 1人目・2人目の子:各24万3800円
  • 3人目以降の子:各8万1300円

配偶者についてはさらに特別加算がつきます。昭和18年4月2日以後生まれの人であれば17万9900円が上乗せされ、合計で42万3700円です。

特別加算の額は生年月日によって変わります。昭和17年4月2日から昭和18年4月1日生まれなら14万3900円で合計38万7700円、昭和16年4月2日から昭和17年4月1日生まれなら10万8000円で合計35万1800円というように、生まれた年が早いほど少なくなります。

1.3 20年に届かなくても対象になる「中高齢の特例」

加給年金を受けるには原則として厚生年金の被保険者期間が20年以上必要ですが、昭和26年4月1日以前生まれの方には「中高齢者の資格期間の短縮特例」があります。

この特例では、共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が、男性は40歳以降、女性(および坑内員・船員)は35歳以降に「15年〜19年(生年月日に応じて決定)」あれば要件を満たします。

なお、昭和26年4月2日以降に生まれた方はこの特例の対象外となり、一律20年以上の加入期間が必要となります。

1.4 65歳到達後に20年に達した場合

65歳の時点では20年に届いていなくても、その後も働き続けて20年に達することがあります。この場合も加給年金の対象になります。

60歳代後半も厚生年金に加入して働く人は増えています。あと数か月で20年という状況であれば、加入を続けるかどうかの判断材料になります。

公的年金の仕組みや平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

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