10月15日は、年金の支給日です。
この日に振り込まれるのは、8月分と9月分の2か月分。年金は後払いなので、10月に入るお金は夏の分にあたります。
その1か月あたりの額は、年齢によって大きく違います。厚生年金の平均年金月額は全体で15万289円ですが、64歳では8万3901円、65歳では14万9862円。1歳の差で6万5961円動きます。
今回は、この年齢ごとの額を60歳から90歳以上まで並べます。そのうえで、65歳より前がなぜ低いのかも確かめます。
なお、公的年金の制度や平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 公的年金は2階建て。1階と2階で決まり方が違う
年齢別の一覧に入る前に、土台をそろえておきます。
【1階部分】国民年金(基礎年金)の概要/加入対象:原則として日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人/保険料:国民年金保険料は所得にかかわらず一律ですが、年度ごとに見直されます(2026年度は月額1万7920円)/受給額:保険料を40年間(480カ月)すべて納付すると、満額を受け取ることができます(2026年度は月額7万608円)
【2階部分】厚生年金の概要/加入対象:会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所(※1)に勤務し、一定の要件を満たす人が国民年金に上乗せして加入/保険料:収入に応じて厚生年金保険料が変動します。ただし、保険料計算の基となる収入には上限が設けられています(※2)/受給額:加入していた期間や納付した保険料額によって個人差が生じます
※1 特定事業所:1年のうち6カ月以上、適用事業所における厚生年金保険の被保険者(短時間労働者を除く、共済組合員を含む)の総数が51人以上となる見込みの企業などを指します。
※2 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて算出されます。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
1階は納めた月数だけで決まります。40年で満額、半分なら半額です。2階は現役時代の報酬と加入期間で変わります。同じ40年勤めても、額は人によって違います。
そして受け取り始める年齢は原則65歳から。ただ2階は、生年によっては65歳より前から受け取れる方がいます。この差が、あとで見る年齢別の一覧に効いてきます。
2階のある方は1608万5696人。この数字は、厚生労働省年金局が毎年まとめている「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によるもので、令和6年度末現在の数です。
いっぽう国民年金(老齢基礎年金)の受給権者は3345万4617人。厚生年金の2倍以上います。1階は20歳から60歳までの全員が入る仕組みなので、数が多くなります。ただし、この3345万4617人には厚生年金や共済を上乗せで受けている方も入っています。概況の注記にそう書かれています。「国民年金だけの方が3345万人」ではありません。厚生年金の1608万5696人の多くも、ここに含まれています。
なお、厚生年金の1608万5696人が受け取っている額には、1階の基礎年金も入っています。次の章の15万289円も、1階と2階を合わせた金額です。「2階だけでいくら」という数字ではありません。
ここを押さえておくと、あとの一覧が読めます。年齢によって、1階が乗っている方と、まだ2階だけの方が混ざっているからです。
2. 厚生年金は全体の平均は月15万289円。男女で5万8554円の開き。国民年金はいくら?
年齢で分ける前に、全体をならした平均年金月額を見ます。
4.1 厚生年金の平均受給月額と金額別の分布状況
- 〈全体〉平均年金月額:15万289円
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
※国民年金の金額を含みます。
4.3 国民年金の平均受給月額と金額別の分布状況
- 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
- 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
- 〈女性〉平均年金月額:5万7582円
年金の受給額は、これまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
厚生年金は男女で5万8554円の開き。1年では70万2648円になります。2階の額が現役時代の報酬で決まるため、働き方の差がそのまま形になります。
いっぽう国民年金のほうは、男性が6万1595円、女性が5万7582円。こちらの男女差は4013円です。1階の額は納めた月数で決まり、収入の多い少ないは反映されないためです。
男性の16万9967円を年に直すと203万9604円。月20万円には届きません。しかもこれは額面で、ここから保険料や税が引かれます。
ここで気をつけたいのは、この15万289円が1608万5696人の金額を足して割った数字だということです。60歳の方も90歳の方も、同じ1つの平均にまとめられています。
受け取り始めた時期も、そのときの給付水準も、世代でまるで違います。にもかかわらず、平均は1つの数字にしてしまいます。次の章で年齢ごとに分けると、その中身が見えてきます。
