5. 4種類の給付金と平均支給額に差が出る仕組み

前章で見たように、老齢・補足的老齢・障害・遺族の4種類で平均支給額に差が生まれています。

老齢は基準額から大きく下振れし、補足的老齢はそもそも所得に応じた段階給付で低い水準に設計されています。障害と遺族は基準額に近い水準で推移しています。

5.1 補足的老齢年金生活者支援給付金の平均が月2232円である理由

補足的老齢年金生活者支援給付金は、老齢年金生活者支援給付金の対象要件のうち所得の範囲を少し超える世帯を、段階的に支援する仕組みです。

所得が基準額に近い世帯は給付額が少なくなり、所得が基準を大きく超える世帯は対象外になります。この段階給付の性質から、平均は月2232円と老齢の半分程度になっています。

5.2 障害と遺族の平均は基準額に近い水準

障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金は、老齢のような保険料納付済期間に基づく按分は行われず、基準額をそのまま支給する仕組みです。

そのため月報の平均は基準額と大きく離れず、障害の平均月5864円は1級と2級の混在平均、遺族の平均月5371円も基準額から数百円以内の水準に収まっています。

6. 住民税非課税なら国保・後期高齢者医療の減免もあわせて確認

老齢年金生活者支援給付金の対象要件のひとつは「同一世帯の全員が住民税非課税」です。

住民税非課税世帯に該当する場合、給付金の対象になるだけでなく、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料の軽減、介護保険料の減額など、複数の支援制度が同時に対象になる可能性があります。

6.1 保険料の減免制度と給付金は別々に管理されている

給付金の申請と保険料の減免申請は、それぞれ別の窓口・別の書類で手続きが必要です。住民税非課税に該当していても、年金生活者支援給付金の申請書は日本年金機構から送られる書類で提出し、保険料の減免は自治体の担当窓口で申請する仕組みです。

片方だけを手続きしている世帯は、もう片方の支援を取り逃している可能性があります。

元公務員として自治体窓口で国民健康保険料と後期高齢者医療保険料の計算を担当していた立場から見ると、住民税非課税世帯に該当していながら、保険料の減免申請を出していない方は多くはないと思います。

ただ、保険料の減免と各種給付金は、それぞれ別の入口で申請するため、片方の存在に気づかないままの世帯もゼロではありません。

世帯構成や前年所得が変わったときは、給付金の対象と保険料の減免対象があわせて動く可能性があります。年に1回、住民票のある自治体の窓口で「住民税非課税に該当するか」「保険料の減免対象か」「年金生活者支援給付金の対象か」の3点を一緒に確認しておくと、支援を取り逃す場面が減ります。

7. まとめにかえて

令和8年3月の月次データで、老齢年金生活者支援給付金の平均支給額は月4249円と、令和7年度基準額5450円より1201円低い水準であることが明らかになりました。

保険料の納付済期間による按分計算が、平均を押し下げる主な要因です。令和8年4月からは基準額が5620円へ改定されており、平均支給額もそれに応じて動きます。

給付金の実額は、加入履歴や免除期間で人それぞれ異なります。ねんきんネットで納付済期間を確認し、給付金と年金を合わせた月額を家計表に書き出しておくと、実感のある家計計画が立てられます。

判断に迷うときは、年金事務所や街角の年金相談センター、自治体の年金担当窓口に相談してみるのも良い選択です。

参考資料

太田 彩子