7月31日、厚生労働省が公表した「厚生年金保険・国民年金事業月報(令和8年3月現在)」で、年金生活者支援給付金の最新状況が明らかになりました。

令和8年3月に老齢年金生活者支援給付金を受け取った人は438万4472件で、平均支給額は月4249円でした。令和7年度の基準額は月5450円のため、実際の平均は基準額より1201円低く、基準額の78%程度にとどまっています。

なお、令和8年4月(6月支給分)からは基準額が5620円に3.2%引き上げられています。

年金生活者支援給付金は住民税非課税世帯などを対象とする継続的な支援制度で、基準額さえ知っていれば「もらえる金額」がわかると思われがちです。

ところが、月次データを見ると、実際に振り込まれている金額と基準額のあいだには少なくない差があります。

この記事では、月次データで見えた老齢年金生活者支援給付金の実額と、基準額との差が生まれる理由を、元公務員の視点から整理していきます。

1. 「年金生活者支援給付金、平均は月4249円」記事の3つのポイント

  •  令和8年3月に老齢年金生活者支援給付金を受け取った人は438万4472件で、平均支給額は月4249円だった
  •  令和7年度の基準額は月5450円で、実際の平均支給額は基準額より1201円低い。令和8年4月からは基準額が5620円へ3.2%改定
  •  老齢だけでなく、補足的老齢は月2232円、障害は月5864円、遺族は月5371円と、種類ごとに平均が異なる

2. 令和8年3月、老齢年金生活者支援給付金の平均支給額は月4249円

厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業月報(令和8年3月現在)」には、年金生活者支援給付金の月次の件数と平均支給額が集計されています。

令和8年3月に老齢年金生活者支援給付金を受け取ったのは438万4472件で、月額186億2900万円が給付されていました。件数を金額で割った平均支給額は月4249円です。

老齢年金生活者支援給付金 基準額と実際の平均支給額1/1

老齢年金生活者支援給付金 基準額と実際の平均支給額 令和8年3月時点

出所:LIMO編集部作成

2.1 基準額との差は1201円、基準額の78%にとどまる

令和8年3月は令和7年度分が支給されるため、この平均支給額4249円は令和7年度の基準額5450円で計算された金額です。両者を比べると差は1201円で、平均は基準額のおよそ78%の水準にとどまります。

日本年金機構によると、令和8年4月からは物価スライドにより基準額が5620円へ3.2%引き上げられました。令和8年度はこの新しい基準額を土台に計算されるため、月報の次年度データで動きを追う必要があります。

3. 4種類の年金生活者支援給付金と令和7年度基準額

年金生活者支援給付金は「老齢」「補足的老齢」「障害」「遺族」の4種類があります。令和8年3月時点で適用されていた令和7年度基準額と、月報の平均支給額を種類別に振り返ると、次のとおりです。

3.1 4種類の基準額と平均支給額

  • 老齢年金生活者支援給付金:令和7年度基準額月5450円に対し、平均は月4249円
  • 障害年金生活者支援給付金:1級が月6813円・2級が月5450円で、平均は月5864円
  • 遺族年金生活者支援給付金:基準額月5450円で、平均は月5371円

補足的老齢年金生活者支援給付金は所得段階に応じた計算のため、一律の基準額はなく平均は月2232円でした。

いずれも令和8年4月からは3.2%引き上げられ、老齢と遺族・障害2級は月5620円、障害1級は月7025円へ改定されています。

基準額に対して平均が最も下振れしているのは老齢と補足的老齢の系統で、障害と遺族は基準額と大きく離れていません。この差の理由は次の章で整理します。

制度の対象要件や申請手続きの詳細は、『年金に上乗せでもらえる「年金生活者支援給付金」とは?対象者・給付額・申請方法を解説』で整理しています。

4. 老齢年金生活者支援給付金の平均が基準額を下回る背景

老齢年金生活者支援給付金の平均支給額が基準額より低くなるのは、給付額の計算方法に理由があります。制度の仕組みの中に、平均を押し下げる要素が組み込まれているためです。

4.1 保険料納付済期間による按分計算

老齢年金生活者支援給付金は、基準額を保険料の納付済期間に応じて按分する仕組みです。国民年金の加入期間480か月(40年)を満期として、納付済期間が480か月に達しない場合はその割合で按分されます。

加入期間が満期に届かない受給者が多いと、平均支給額は基準額を下回ります。

4.2 加入期間が480か月に満たないケースが多い

国民年金の加入期間480か月(40年満期)に対して、納付済期間と免除期間を合わせても満期に届かない受給者が多いのが実態です。

未納期間や被保険者期間の短さがある場合、按分計算の分母に対する納付済期間の割合が下がり、給付額は基準額より小さくなります。

なお、保険料の免除期間には納付済期間より高い単価が適用されるため、免除期間があると給付額を押し上げる方向に働きます。

太田 彩子

基準額はあくまで加入期間が満期の場合の水準で、実際に受け取る金額は保険料の納付状況で変わります。老齢年金生活者支援給付金を受け取っている方や対象になる可能性がある方は、ねんきんネットで納付済期間を確認し、実際の給付額と生活費の見通しを組み立てておくと安心です。