FPからのアドバイス|老後の年金格差、今からできる備えとは

橋本 優理

今回のデータを改めて見ると、月額30万円以上の厚生年金を受け取れているのは全体のわずか0.12%。老後の年金だけで現役時代と同じ水準の生活を維持するのは簡単ではない、という現実が数字に表れています。

私はこれまで、多くの世帯のライフプランニングに携わってきました。「老後のお金が不安」という気持ちを抱えながらも、何から手をつければよいか分からず、一歩を踏み出せずにいる方が非常に多いと感じています。

共働き世帯であっても、育児や家事の負担が妻側に偏り、結果としてパート・非正規雇用を選ばざるを得なかったご家庭も数多く見てきました。厚生年金への加入期間が短くなれば、その分だけ将来の年金額にも影響します。これは個人の努力不足というより、社会全体の働き方の構造に起因する問題だと感じています。

一方で、今回試算したように、現役時代の年収を上げること、厚生年金に加入する期間を少しでも長く続けることは、老後の年金額に確実にプラスの影響を与えます。まずは次のようなことから始めてみてはいかがでしょうか。

  • ご自身とパートナーの「ねんきん定期便」を確認し、将来の見込み額を具体的な数字で把握する
  • 厚生年金に加入できる働き方を維持できないか、家庭内で話し合ってみる
  • iDeCoやNISAなど、税制優遇のある制度で公的年金に上乗せする資産形成を検討する

老後までの時間は日々少しずつ短くなっていきます。「いつかやろう」ではなく、まず現状を把握するところから、できる範囲で計画的な資産形成に取り組んでいただければと思います。

参考資料

橋本 優理