世帯年収や年代によって、世帯の金融資産額やその内訳にはどのような違いがあるのでしょうか。本記事では、金融経済教育推進機構(J-FLEC)が公表した最新調査をもとに、年収別・年代別(単身・二人以上世帯)の金融資産保有額の平均値や中央値、株式・投資信託などの保有状況を分かりやすく解説します。
さらに、「NISAで積立をしているのにお金が残らない」「つい手元の資金を使ってしまう」とお悩みの方向けに、ファイナンシャルプランナー(FP)が老後資金を着実に増やすための3つのポイントをアドバイス。NISAとiDeCoの使い分けや生活防衛資金の確保、受給時の注意点など、自身の性格や目的に合わせた賢い資産形成のコツをお伝えします。自分の貯蓄立ち位置を確認し、確実にお金を貯める仕組み作りに役立てましょう。
※この記事では、データ部分などの一部を以下の記事から引用してます。
この記事の3つのポイント
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年収・年代が上がるほど金融資産と投資規模は増大する。 -
単身世帯より二人以上世帯の方が貯蓄額の水準が高い。 -
資産形成は性格に合わせてNISAとiDeCoで資金を色分けする。
みんなの貯蓄事情:年収別で見る「金融資産保有額」とその内訳
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和7年)」の結果を基に、世帯年収ごとの金融資産の内訳を見ていきましょう。
※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金や不動産、金などの残高は含まれていません。
金融資産非保有世帯を含む、金融商品の種類別保有額
《年間収入別》金融資産保有額
全国:1940万円
- 収入はない:634万円
- 300万円未満:858万円
- 300~500万円未満:1431万円
- 500~750万円未満:1755万円
- 750~1000万円未満:2222万円
- 1000~1200万円未満:2725万円
- 1200万円以上:5635万円
《年間収入別》預貯金(運用または将来の備え)
全国:745万円
- 収入はない:385万円
- 300万円未満:368万円
- 300~500万円未満:631万円
- 500~750万円未満:693万円
- 750~1000万円未満:908万円
- 1000~1200万円未満:1028万円
- 1200万円以上:1649万円
《年間収入別》債券
全国:78万円
- 収入はない:7万円
- 300万円未満:36万円
- 300~500万円未満:54万円
- 500~750万円未満:58万円
- 750~1000万円未満:67万円
- 1000~1200万円未満:91万円
- 1200万円以上:343万円
《年間収入別》株式
全国:433万円
- 収入はない:33万円
- 300万円未満:191万円
- 300~500万円未満:235万円
- 500~750万円未満:365万円
- 750~1000万円未満:434万円
- 1000~1200万円未満:572万円
- 1200万円以上:1792万円
《年間収入別》投資信託
全国:216万円
- 収入はない:153万円
- 300万円未満:79万円
- 300~500万円未満:167万円
- 500~750万円未満:189万円
- 750~1000万円未満:238万円
- 1000~1200万円未満:292万円
- 1200万円以上:682万円
《年間収入別》「債券・株式・投資信託の合計額」と「金融資産保有額全体に占める割合」
全国:727万円(24.79%)
- 収入はない:193万円(8.99%)
- 300万円未満:306万円(22.14%)
- 300~500万円未満:456万円(26.21%)
- 500~750万円未満:612万円(23.42%)
- 750~1000万円未満:739万円(34.29%)
- 1000~1200万円未満:955万円(26.68%)
- 1200万円以上:2817万円(26.69%)
年収が高くなるにつれて金融資産の全体額も増大しており、収入と蓄えには明確な相関が窺えます。特に株式や投資信託、債券といった有価証券への投資規模は、高所得層になるほど大きくなる傾向です。
一方で、資産全体に占める投資資産の割合に目を向けると、年収750万〜1000万円帯(34.29%)がやや高い水準にあるものの、無収入世帯を除けば、その他の層では概ね20%台で安定しています。この比率の動きから、資産運用は一部の富裕層に限ったものではなく、標準的な収入帯の世帯にも広く定着していることが分かります。
みんなの貯蓄事情:年代別で見る「金融資産保有額」の平均値・中央値《20歳代~70歳代》
次に、20歳代~70歳代の年代別で金融資産保有額を「単身世帯・二人以上世帯」に分けて見ていきましょう。
金融経済教育推進機構の『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和7年)』および『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和7年)』を基に、年代別の貯蓄額を確認していきます。
まずは単身世帯のデータ(金融資産を保有していない世帯を含む)から。
単身世帯(20歳代~70歳代)の金融資産保有額
- 20歳代:平均値255万円・中央値37万円
- 30歳代:平均値501万円・中央値100万円
- 40歳代:平均値859万円・中央値100万円
- 50歳代:平均値999万円・中央値120万円
- 60歳代:平均値1364万円・中央値300万円
- 70歳代:平均値1489万円・中央値500万円
次に、二人以上世帯(金融資産を保有していない世帯を含む)について見ていきましょう。
二人以上世帯(20歳代~70歳代)の金融資産保有額
- 20歳代:平均値525万円・中央値125万円
- 30歳代:平均値1096万円・中央値311万円
- 40歳代:平均値1486万円・中央値500万円
- 50歳代:平均値1908万円・中央値700万円
- 60歳代:平均値2683万円・中央値1400万円
- 70歳代:平均値2416万円・中央値1178万円
単身・二人以上を問わず、基本的には年代が上がるとともに蓄えも増えていく傾向が確認できます。単身世帯では60代に入ると中央値が大きく跳ね上がっており、定年退職に伴う退職金の受領などが資産を押し上げていると推測されます。
一方、二人以上世帯のデータを単身世帯と比べると、平均値・中央値のいずれも高い水準を示しています。世帯人数が増えることで将来の生活資金や備えの必要性が高まるため、こうした差が生じるのは自然と言えます。さらに、子育て中の世帯も含まれることから、教育費をはじめとする具体的な目的を持った資産準備が活発であることも、単身世帯との開きにつながっていると考えられます。



