NISAで積立しているのに、お金が貯まらない…【FP解説】老後資金を着実に増やすためにおさえておきたい3つのポイント
【会社員】NISAで積立を続けているのに、気づくとお金を使ってしまう

老後資金づくりのためにNISAで毎月一定額を積立てている会社員の方からのご相談です。
投資には積極的に取り組んでいたものの、手元の預貯金は数十万円程度にとどまり、想定外の支出が発生するたびに積み立てた資産を取り崩してしまう状態が続いていました。
「貯めたい」という気持ちと、「あると使ってしまう」自身の性格との間で葛藤し、どうすれば着実に資産を築けるのか、悩んでおられました。
FPからのアドバイス:お金が貯まらない人がおさえておきたい3つのポイント
まず考えたいのは、ご自身の性格に合わせた「お金の置き場所」です。
NISAのようにいつでも引き出せる制度は使い勝手がよい一方、手元にあるとつい使ってしまう方にとっては、資産が積み上がりにくい原因にもなります。老後資金など、絶対に手をつけたくないお金は、あえて引き出しに制限のある仕組みに預けることで、無意識に使ってしまうリスクを減らすことができます。
そのうえで、お金の色分けをすることも大切です。すべての資金を一つの制度でまとめて管理するのではなく、目的ごとに分けて考えましょう。次のようなポイントをお伝えしました。
- NISAなど引き出しやすい資金は、数年後のライフイベントや急な出費に備える資金として活用する
- iDeCoなど引き出しにくい仕組みは、長期的な老後資金専用として位置づける
- 積立額を増やす前に、まずは生活防衛資金(目安として生活費の3~6カ月分)を手元に確保する
いくら将来が不安でも、生活防衛資金が不足した状態で無理に積立額を増やしたり、引き出せない仕組みにお金を拘束したりするのは避けたいところです。まずは手元の現金を一定額確保したうえで、流動性の高いものと強制力のあるものを組み合わせることが、着実な資産形成の出発点になります。
ただ、途中でお金を引き出しにくい仕組みだから…といってiDeCoに全額を集中させるのはおすすめできません。iDeCoは掛金が全額所得控除の対象になり、運用益も非課税、受け取るときも退職所得控除や公的年金等控除が使えるという税制優遇の大きさが魅力ですが、原則として60歳(通算加入者等期間が10年に満たない場合は、段階的に61歳~65歳まで受給開始が後ろ倒しになります)まで引き出せない点には注意が必要です。
また、一括で受け取る「老齢一時金」を選ぶ場合、退職金を受け取る時期が近いと、加入期間の重複部分が調整されて退職所得控除額が想定より少なくなることがあります。具体的には、iDeCoを先に受け取るなら退職金を10年以上、退職金を先に受け取るならiDeCoを19年以上空けることで、それぞれの控除を活かしやすくなります(2026年1月からのルールに基づく目安です)。老後資金は大切ですが、いつ・どの順番で受け取るかまで見据えて、計画的に振り分けていきましょう。
参考資料
川勝 隆登
