「共働きで頑張っているのに、思ったより貯蓄が増えない」。40歳代・50歳代のご家庭で、そんな実感をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。収入が二つある強みを、貯蓄にどう生かすかは意外と難しいものです。

まずは同世代の二人以上世帯がどれくらい貯めているのかを、平均と中央値から確かめてみましょう。あわせて、共働きがどれだけ広がっているのかもデータでみていきます。

今回は、40歳代・50歳代の二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値を確認し、共働き世帯の実態(母の就労)もみていきます。

和田直子
共働きのご家庭が増え、金融機関の窓口でも「二人で働いているのに、なぜか貯まらない」という声をよく聞くようになりました。収入が増えると、暮らしの水準も一緒に上がりがちです。二馬力の強みを貯蓄に生かすには、少しだけ工夫が要ると感じています。

この記事を読んだらわかる3つのポイント

  •  共働き世代の40・50歳代二人以上世帯、貯蓄の平均と中央値
  •  データでみる「働く母」の広がり(令和7年 国民生活基礎調査)
  •  二馬力の収入を、暮らしに溶かさず貯蓄につなげる整え方

【40歳代・50歳代二人以上世帯の平均貯蓄額】中央値はいくらか?

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、二人以上世帯の金融資産保有額(平均・中央値)は次のとおりです。

※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。

40歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)

和田直子
40代は、教育費や住宅ローンの支出がピークに近づく一方で、共働きによる収入増加も重なりやすい年代です。だからこそ、「収入が増えたのに貯蓄が思うように増えない」と感じるのは、使い方が下手というより、支出と収入の増加タイミングがちょうど重なりやすい構造的な事情によるところも大きいと感じます。おすすめしたいのは、昇給やボーナスアップなど「収入が増えた分」を基準に貯蓄額を見直す方法です。増えた収入をそのまま生活費に組み込むのではなく、増加分の半分だけでも、NISAなどの自動的な積立に上乗せする形で先取りしておくと、暮らしの水準を大きく変えずに、着実に資産を積み上げていくことができます。ボーナスのタイミングで見直すだけでも、1年間の貯蓄ペースは大きく変わってきます。
  • 40歳代二人以上世帯:平均1486万円/中央値500万円

40歳代二人以上世帯は平均1486万円・中央値500万円。共働きで収入が増える一方、教育費や住宅ローンの支出も大きく、2000万円以上が21.3%、貯蓄のない世帯も18.8%と、幅があります。

50歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)

和田直子
50代は、子育てにかかる支出が落ち着き、貯蓄のペースを上げやすい時期です。実際に中央値も700万円まで伸びており、40代からの変化としては前向きな数字と言えます。一方で、貯蓄が全くない世帯が18.2%と、40代とほぼ同じ割合で残っている点は見過ごせません。これは、40代のうちに「貯める仕組み」を作れたかどうかが、そのまま50代の結果に直結していることを示しているという側面もあると考えます。つまり50代でできる対策は、貯蓄額を増やすことだけでなく、これまで貯めてきた資産をどう守り、老後に向けてどう配分するかという視点に切り替えることです。増やす時期から、守りながら育てる時期へ。この意識の転換の一つとして、NISAやiDeCoで保有している資産が、リスクを取りすぎた配分になっていないか、一度棚卸しをしてみることをおすすめします。
  • 50歳代二人以上世帯:平均1908万円/中央値700万円

50歳代は平均1908万円・中央値700万円。子育てが一段落して貯蓄が伸びやすい時期で、2000万円以上は26.9%。ただし貯蓄のない世帯も18.2%残ります。平均を押し上げているのは一部の世帯で、実感に近いのは中央値のほうです。