6. 住まいの修繕だけじゃない?老後に備えるべき「介護費用」のリアル

持ち家の修繕リスクに加えて、老後の家計を大きく左右するのが「介護費用」です。

住宅のバリアフリー改修などでなんとか自宅での生活を維持できたとしても、最終的に老人ホームなどの施設入居を検討するケースは少なくありません。

LIFULL 介護が発表した試算データによると、およそ1年の在宅介護を経たのちに有料老人ホームに5年間入居した場合、一人あたりにかかる介護費用の総額は「約2300万円」にのぼることが示されています。

内訳としては、在宅介護期間(1年間)に約63.6万円、施設入居時費用に約690万円、その後の施設での月額費用(5年間)で約2232万円かかる想定です。

もちろん、要介護度や入居する施設が公的なものか民間かによって費用は大きく変動しますが、「年金だけでまかなえるだろう」と楽観視していると、想定外の出費に家計が立ち行かなくなるリスクがあります。

持ち家の修繕費だけでなく、将来の介護費用も視野に入れた「まとまった資産」の準備が不可欠です。

7. まとめにかえて

標準的な65歳以上の単身無職世帯では毎月約3万円の赤字が生じており、公的年金だけで日々の生活費をすべてカバーするのは容易ではありません。

また、現役時代の加入履歴(会社員か自営業かなど)によって、将来受け取れる年金額には大きな開きがあります。

さらに、家賃がかからない持ち家であっても、7割以上のシニアが心身機能低下時の住環境に不安を抱えており、老朽化に伴うリフォームやバリアフリー改修、将来の介護費用といった「見えにくい数百万単位の出費」のリスクが潜んでいます。

2026年度には年金額の引き上げに加え、在職老齢年金の基準額の大幅緩和(65万円への引き上げ)など、働き続けるシニアを後押しする制度改正が行われています。

まずは「ねんきん定期便」でご自身の正確な年金見込額を確認し、長く働くことや介護保険等の公的制度の活用も視野に入れながら、早めの生活設計を立てていきましょう。

参考資料