4. まとめ:「3つの数字」を把握して老後の備えを具体化しよう
老後のお金の準備は、「漠然と不安」から「具体的な目標額」に落とし込むことが第一歩です。
元銀行員である筆者はお金の問題を整理するとき、必ず「現状の数字を確認する」ところから始めます。
老後の備えも、以下の3つの数字を順番に把握するだけで、準備すべき金額が見えてきます。
4.1 年金見込み額を確認する
「ねんきん定期便」(誕生月に届く)またはねんきんネットで、自分の年金見込み額を確認しましょう。確認できるのは「現時点での加入実績に基づく見込み額」です。今後の働き方によって変わりますが、まず現状を把握することが大切です。
4.2 老後の生活費の目安を「今の生活費」から試算する
老後の生活費は、現役時代の生活費の約7〜8割が目安とされています。今の月の生活費が30万円であれば、老後は21〜24万円程度を想定しておくとよいでしょう。高齢単身世帯の平均消費支出が月約14万8000円であることも参考になります。
4.3 インフレ分の上乗せを試算する
物価が毎年2%上昇した場合、20年後には同じ生活をするのに今の約1.5倍のお金が必要になります。年金は物価に連動して改定されますが、必ずしも物価上昇に追いつくとは限りません。年金と生活費の差額(月3万円前後)が20年続くと約720万円、30年続くと約1080万円の不足になります。インフレの影響を考慮すると、さらに余裕を持たせた準備が安心です。
この「不足額」を、NISAやiDeCoなどの積立で補う計画を立てることが、老後資金準備の基本的な考え方になります。
まずは「ねんきん定期便」を確認するところから始めてみてください。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
石津 大希