英国進出の日本企業には打撃だろうが

英国に進出している日本企業の子会社は、打撃を受けるでしょう。とくに、大陸に輸出するために英国に工場を建てたという場合には、英国子会社が損失を被ることになるでしょう。

しかし、日本企業の英国子会社は英国企業であって、従業員は英国人ですから、彼らがリストラをすれば、失業するのは英国人であって、日本の失業者が増えるわけではありません。

英国子会社から親会社への配当が減ると、親会社の決算が悪化しますが、それが日本の景気に悪影響を与えることはないでしょう。企業は配当収入があっても、それを設備投資や賃上げに使うわけではありませんから、反対に配当収入が減っても設備投資等が減ることもないでしょう。

親会社の利益が減ると株価が下がるかもしれませんが、日本は個人投資家の持ち株が少ないので、株価が多少下落しても、それが個人消費を下押しして日本経済に影響する、といったことはないでしょう。

英国に追随する国はないはず

「英国が離脱すると、真似をして離脱する国が出てきてEUが崩壊する」と心配している人もいるようですが、その可能性は小さいと思います。英国が離脱を決意したのは、ユーロを使っていないから、という要因も大きいからです。

ユーロ圏の経常収支黒字国は、ユーロ圏から出てしまうと自国通貨高になって輸出産業が打撃を受けますから、ユーロ圏に留まるインセンティブを持っています。