毎月同じ金額を積み立てるにしても、銀行預金にとどめるか、新NISAを活用して投資に回すかで、15年後に手元に残る資産は数百万円から1000万円以上の差が生まれることもあります。
銀行員時代、毎月積み立てをされているお客さまが通帳を見て「え、利息、たったこれだけ?」と驚かれることが少なくありませんでした。
インフレによってお金の価値が目減りしやすい今、「ただ貯金するだけで本当に資産形成できているのか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
毎月同じ金額を積み立てるにしても、銀行預金にとどめるか、新NISAを活用して投資に回すかで、15年後に手元に残る資産は数百万円から1000万円以上の差が生まれることもあります。
この記事では、「銀行預金」と「新NISAでの積立投資」を比べながら、15年後の資産にどれほどの差が出るのかを具体的なシミュレーションで確認していきます。
1. 「月10万円」を15年続けた場合、預金だといくらになる?
毎月10万円を銀行預金として積み立てた場合、15年間の元本は合計1800万円です。
近年は日本銀行の利上げを受けて、メガバンクの普通預金金利は年0.4%前後まで上昇しています。ただ、資産を大きく育てるには、まだ十分とはいえない水準です。
年0.4%で15年間預け続けた場合、得られる利息は約55万円(税引前)にとどまり、最終的な資産額はおよそ1855万円となります。
加えて、利息には約20%の税金がかかるため、手元に残る金額はさらに少なくなります。
もうひとつ、見落としがちなのがインフレの影響です。年2%の物価上昇が15年続くと、現在と同じ商品を買うために必要な金額は約1.3倍に膨らみます。預金額が増えていても、お金の実質的な価値は目減りしているかもしれません。
元本が減りにくいという安心感がある一方で、利息は限定的で、インフレによって実質的な資産価値が下がるリスクもある。これが銀行預金の現実です。
では、同じ「月10万円」を積み立てるなら、より効率的に資産を育てる方法はないのでしょうか。
2. 税制優遇を活かす「新NISA」とは?
NISA(少額投資非課税制度)は、運用で生じた利益が非課税になる制度です。通常、投資信託や株式投資で利益が出ると約20.315%の税金が差し引かれますが、NISA口座内での運用であれば税金がかからず、利益をそのまま受け取ることができます。
たとえば、年0.4%の預金で増えた利息55万円にも税金がかかりますが、同じ利益がNISA口座で生じた場合は非課税のため、手取り額がそのまま増えます。
この制度は以前からありましたが、2024年1月の見直しでさらに使いやすくなり、「新NISA」としてスタートしました。
2.1 新NISAの主なポイント
- 年間の非課税投資上限額が大幅に拡大(旧つみたてNISAは年間40万円まで)
- 非課税で運用できる期間が無期限に(旧制度には期限あり)
では、この新NISAを活用して毎月10万円を積み立てると、15年後の資産はどう変わるのでしょうか。
3. 利回り別シミュレーション|新NISAで積立投資した場合の15年後
毎月10万円を15年間積み立てた場合のシミュレーションを、利回り別に確認してみましょう。元本は共通で1800万円です。
3.1 利回り5%で運用した場合
- 投資元本:1800万円
- 運用収益:848万円
- 資産合計:2648万円
3.2 利回り7%で運用した場合
- 投資元本:1800万円
- 運用収益:1311万円
- 資産合計:3111万円
3.3 利回り10%で運用した場合
- 投資元本:1800万円
- 運用収益:2184万円
- 資産合計:3984万円
年利5%のシミュレーションでも、運用収益は約848万円。銀行預金の約55万円と比べると、その差は歴然です。
年利7〜10%で運用できた場合には、約1311万円〜2184万円の運用益が見込まれ、元本の約1.7〜2.2倍になる計算です。
4. 貯金 vs 投資、15年後の「差」を生む正体は「複利」
ここまでのシミュレーションをまとめると、毎月10万円を15年間積み立てた場合の最終資産額はこうなります。
- 銀行預金(年0.4%):約1855万円
- 新NISA・年利5%:約2648万円(差額 約793万円)
- 新NISA・年利7%:約3111万円(差額 約1256万円)
- 新NISA・年利10%:約3984万円(差額 約2129万円)
この差を生み出すのが「複利」の力です。運用で得た利益が元本に加わり、次の利益もその合計額に対してつく。この繰り返しが、長期になるほど加速度的に資産を増やしていきます。
積立投資の初期は、預金との差がそれほど大きくありません。
しかし、年数を重ねるにつれて「利益が利益を生む」効果が膨らみ、後半になるほど差が広がっていくのです。
将来の運用成果を確実に予測することはできませんが、「できるだけ早く始めること」と「長期間続けること」が複利の恩恵を最大限に受けるための大切な条件です。
まずは家計に無理のない金額からでも、新NISAでの積立を検討してみてはいかがでしょうか。
【免責事項】
- 本記事は、公開されている公的資料および一般的な情報に基づき作成されたものであり、特定の制度・金融商品・投資行動を推奨するものではありません。
- 掲載している数値・シミュレーション結果は一定の前提条件のもとでの試算であり、実際の運用成果を保証するものではありません。制度内容は法改正等により変更される可能性があります。
- 投資には元本割れを含むリスクが伴います。最終的な投資判断はご自身の責任においてお願いいたします。






