2. 【2026年度の税制改正】公的年金の税金はどう変わる?知っておきたい「3つの変更点」

令和8年度(2026年度)の税制改正により、公的年金にかかる税金の仕組みが見直されました。

今回の改正の大きな目玉は「基礎控除額」の引き上げです。

これにより、これまで所得税が天引き(源泉徴収)されていた方でも、税負担が軽減されたり、天引きそのものがなくなったりする受給者が増える見込みです。

シニア世代の暮らしを守るために、特に押さえておきたい「3つの主な変更点」を分かりやすく整理してみていきましょう。

2.1 変更点1:12月の年金支給時に「税金の再計算と還付」を実施

令和8年中の年金については、変則的なスケジュールで税額が調整される点に注意が必要です。

  • 11月の支給分まで: 「改正前」の旧ルールのまま税金が天引きされます。
  • 12月の支給分: 新しいルール(引き上げられた基礎控除など)を用いて、1年分の税額が正しく再計算されます。

この再計算の結果、「税金を払いすぎていた」となった場合には、原則として12月の年金支給額に上乗せされる形で一括して還付(返金)される仕組みです。

※注意ポイント

還付の対象となるのは、実際に税金を納めすぎていた方に限られます。

全員に一律でお金が振り込まれるわけではないため、事前の仕組みの理解が大切です。

2.2 変更点2:住民税の課税対象者にも新たに「申告書」が届く

今回の税制改正に伴い、日本年金機構から送られてくる「扶養親族等申告書」の送付対象者が大きく拡大されます。

これまでは「所得税の天引き対象者」のみに送られていましたが、今後は所得税の源泉徴収対象ではなくても、個人住民税の課税対象になり得る金額の年金を受け取っている方(例:65歳以上で年金収入148万円以上など)にも、新たに申告書が届くことになりました。

書類が届いた方は、ご自身が住民税の優遇措置や控除を受けられるかどうかを正しく申告するための大切な手続きとなります。

2.3 変更点3:扶養親族の所得要件が「62万円以下」に引き上げへ

同居する配偶者やご家族などを扶養に入れる(扶養控除等を受ける)際の所得要件が、従来の基準から「62万円以下」へと引き上げられました。

要件が緩和されたことで、新たに扶養に対象を広げられるケースが出てきます。

新しく扶養控除等の対象となる場合は、手元に届く「扶養親族等申告書」に必要事項を正しく記入し、期日までにしっかりと提出しましょう。

この書類を忘れずに提出することで、確定申告の手間をかけることなく、年金から毎月天引きされる税額を正しく抑えることができるようになります(※他に一定の所得がある場合などを除く)。