1. 最新データで確認。年収400万円超の割合とは?

給与階級別分布グラフ(全体・男女別)2/4

給与階級別分布グラフ(全体・男女別)

出所:国税庁長官官房企画課「令和6年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-令和7年9月」をもとにLIMO編集部作成

年収400万円という給与水準は、現在の日本社会においてどのような立ち位置になるのでしょうか。

実際の給与階級別分布の統計を確認すると、年収400万円超に該当する層(「400万円超」から「2500万円超」の各区分を足し合わせた割合)は、全体で52.0%という結果でした。

この数字から、年収400万円をクリアしている人は、労働者全体における上位約52.0%に位置していることが分かります。

さらに、このデータを男女別に細かく分析してみると、はっきりとした格差が生じていることが見えてきます。

男性のみに絞った場合、年収400万円超を達成している割合は67.8%と過半数を大きく上回ります。

一方で女性のデータに目を向けると、年収400万円超に達している割合はわずか31.0%という低水準にとどまっています。

年収400万円は社会全体の平均に近い水準ではあるものの、女性にとっては依然として到達するのが非常に難しいラインであることが、データからも如実に示されています。

2. 年齢を重ねると給与は上がる?世代別の推移と男女の差

一般的には、年齢を重ねて経験やキャリアを積んでいくほど、年収もそれに伴って上昇していくイメージが強いかもしれません。

昨今では大手企業を中心に初任給を引き上げる動きが活発化しており、若い世代の給与水準にも変化が見られ始めていますが、年齢階層別の平均給与を細かくチェックすると、男女でそのトレンドは大きく異なっています。

まず男性の平均給与については、年齢の推移とともに右肩上がりで順調に増えていきます。

25〜29歳時点では437.6万円ですが、30代、40代とステップアップを重ね、55〜59歳で734.6万円に達して最高潮を迎えます。この50代後半というタイミングになれば、男性の平均給与は目標である400万円を大きくクリアする水準にまで到達します。しかし、定年退職や役職定年を控えるようになる60〜64歳に差し掛かると、604.4万円へと一気に減少する点が大きな特徴です。

これに対して、女性の年齢階層別の推移は全く違う様相を見せます。女性の場合は25〜29歳で370.1万円となったのを皮切りに、55〜59歳の356.2万円に至るまで、すべての年齢層において350万〜370万円台の狭い範囲を推移しており、ほぼ横ばい状態が継続します。女性における平均給与のピークは45〜49歳の368.6万円であり、男性のデータに見られるような50代にかけての急激な上昇は確認できません。

このように、30代を迎えて以降は年齢が上がるにつれて男女間の給与格差が広がり続ける仕組みになっており、年齢に比例して年収が伸びていくという定説は、主に男性側のデータによって作られた傾向であることが浮き彫りになっています。

3. 業種別の平均給与比較。年収400万円を超えやすい業界・超えにくい業界

業種別平均給与ランキング4/4

業種別平均給与ランキング

出所:国税庁長官官房企画課「令和6年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-令和7年9月」をもとにLIMO編集部作成

年収400万円の大台を目指すにあたって、どの「業種」を選択して働くかは極めて重大な分岐点となります。

今回のデータによると、平均給与が最も高い業種と最も低い業種の格差は、なんと約553.1万円もの開きが生じていました。

調査対象となった全14業種の中で、平均給与が高い上位3つの業種は次の通りです。

  • 1位:電気・ガス・熱供給・水道業(832.4万円)
  • 2位:金融業・保険業(702.3万円)
  • 3位:情報通信業(659.5万円)

首位に輝いたインフラ関連産業は832.4万円と他を圧倒しており、2位の金融業・保険業も702.3万円をマークするなど、業種全体の平均の段階で目標の400万円を余裕で上回っています。ちなみに男性の数値だけに注目すると、金融業・保険業が898.1万円、電気・ガス・熱供給・水道業が878.5万円となっており、900万円の大台に迫るほどの高水準に達しています。

その一方で、平均給与が低い下位3つの業種は以下の結果となりました。

  • 12位:サービス業(389.1万円)
  • 13位:農林水産・鉱業(347.9万円)
  • 14位:宿泊業・飲食サービス業(279.3万円)

最下位に沈んだ宿泊業・飲食サービス業は279.3万円にとどまっており、首位の業種と比較すると極めて大きな格差が存在します。これらの業種においては、平均給与が300万円台以下という厳しい現実が横たわっています。

現在所属している業界や、今後の転職先として見据えている業種がどこに該当するかによって、年収400万円に届く難易度は大幅に変化すると言えるでしょう。

4. データから見る年収400万円の壁とキャリア選びの重要性

令和6年分の統計データから読み解くと、年収400万円超を達成している人は全体の上位52.0%に含まれる高所得層に位置することが明確になりました。

年齢別・業種別のデータが物語っている通り、あなたの年収は「個人の能力」だけで決まっているわけではなく、所属している業界の利益構造に大きく依存しています。

また、男性全体の67.8%がこのラインをクリアしている反面、女性では31.0%しか到達しておらず、非常に限定的な割合にとどまっているのが現状です。

ただ、世間の『ふつう』という曖昧な言葉に振り回される必要はありません。ご自身の源泉徴収票で正確な年間の支払金額を確認し、今後のライフプランにおいて転職などのキャリアシフトが必要かどうかを冷静に判断することが、確かな将来を築く防衛策となるでしょう。

参考資料

齊藤 慧