次回の年金支給日(8月14日)が近づいてきました。セカンドライフの家計を支える中心となる「年金」については、多くの方が関心をお持ちのことでしょう。
「自分は一体いくらもらえるのだろう」「年金だけで生活できるのか」といった疑問や不安を感じることもあるかもしれません。
この記事では、日本の公的年金の基本的な仕組みから、国民年金と厚生年金の平均受給額、そして年金生活を送るシニア世帯のリアルな家計収支まで、具体的なデータをもとに詳しく解説していきます。
ご自身の将来設計を考えるための一助として、ぜひ最後までご覧ください。
1. 【年金一覧表】この記事の3つのポイント
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厚生年金の平均月額は15万289円。月額20万円以上を受け取る人は限られる -
65歳以上・無職夫婦世帯の家計収支は毎月4万2434円の赤字 -
定年後に見直しておきたい支出はある?「続けておくこと・やめること」の考え方
2. 日本の公的年金、その仕組みはどうなっている?
公的年金は「2階建て構造」だと聞いたことがある人もいるでしょう。
これは、日本の年金制度が「1階部分にあたる国民年金(基礎年金)」と「2階部分にあたる厚生年金」から成り立つためです。
2.1 1階部分にあたる「国民年金」の概要
- 加入対象者:原則として日本に住む20歳以上60歳未満の全員
- 年金保険料:国民年金保険料は全員一律。ただし年度ごとに改定あり(2026年度月額:1万7920円)
- 受給額:保険料を40年間欠かさず納付すれば満額が受け取れる(2026年度月額:7万608円)
国民年金の加入者は第1号被保険者~第3号被保険者にわかれ、このうち第2号被保険者が後述する厚生年金に加入します。厚生年金保険料を支払う人は、別途国民年金保険料を支払う必要はありません。
また、第3号被保険者も保険料の納付義務がありません。
2.2 2階部分にあたる「厚生年金」の概要
- 加入対象者:会社員や公務員、またパートなどで特定適用事業所(※1)に働き一定要件を満たした人が国民年金に上乗せで加入
- 年金保険料:収入に応じて厚生年金保険料が変わる。ただし上限あり(※2)
- 受給額:加入期間や納めた保険料により個人差あり
※1 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※2 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
3. 厚生年金と国民年金、受給額の個人差はどのくらい?
老齢年金の受給額は、現役当時の年金加入状況により個人差が生じます。
厚生年金と国民年金の平均月額をみたのちに、受給額ごとの人数も見ることで、その個人差がどれほどかを見ていきましょう。
3.1 厚生年金の平均受給月額に見る個人差
- 〈全体〉平均年金月額:15万289円
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
※国民年金の金額を含む
厚生年金の受給額分布(1万円ごと)
- ~1万円:4万3399人
- 1万円以上~2万円未満:1万4137人
- 2万円以上~3万円未満:3万5397人
- 3万円以上~4万円未満:6万8210人
- 4万円以上~5万円未満:7万6692人
- 5万円以上~6万円未満:10万8447人
- 6万円以上~7万円未満:31万5106人
- 7万円以上~8万円未満:57万8950人
- 8万円以上~9万円未満:80万2179人
- 9万円以上~10万円未満:101万1457人
- 10万円以上~11万円未満:111万2828人
- 11万円以上~12万円未満:107万1485人
- 12万円以上~13万円未満:97万9155人
- 13万円以上~14万円未満:92万3506人
- 14万円以上~15万円未満:92万9264人
- 15万円以上~16万円未満:96万5035人
- 16万円以上~17万円未満:100万1322人
- 17万円以上~18万円未満:103万1951人
- 18万円以上~19万円未満:102万6888人
- 19万円以上~20万円未満:96万2615人
- 20万円以上~21万円未満:85万3591人
- 21万円以上~22万円未満:70万4633人
- 22万円以上~23万円未満:52万3958人
- 23万円以上~24万円未満:35万4人
- 24万円以上~25万円未満:23万211人
- 25万円以上~26万円未満:15万796人
- 26万円以上~27万円未満:9万4667人
- 27万円以上~28万円未満:5万5083人
- 28万円以上~29万円未満:3万289人
- 29万円以上~30万円未満:1万5158人
- 30万円以上~:1万9283人
月額1万円未満から30万円以上と、幅広い受給額に分布していることがわかります。
3.2 国民年金の平均受給月額に見る個人差
- 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
- 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
- 〈女性〉平均年金月額:5万7582円
国民年金の受給額分布(1万円ごと)
- 1万円未満:5万1828人
- 1万円以上~2万円未満:21万3583人
- 2万円以上~3万円未満:68万4559人
- 3万円以上~4万円未満:206万1539人
- 4万円以上~5万円未満:388万83人
- 5万円以上~6万円未満:641万228人
- 6万円以上~7万円未満:1715万5059人
- 7万円以上~:299万7738人
国民年金の平均年金月額は全体で5万円台となりました。男性は6万円台、女性は5万円台と、ほんのわずかですが男女差が見られます。
ボリュームゾーンを見ると、多くの人が満額に近い年金額を受け取っていることがわかります。
厚生年金ほどではありませんが、国民年金においても月額1万円未満~7万円以上と個人差がみられます。
年齢別に区切った、より詳しい受給額の目安を知りたい方は、こちらの記事もあわせてご参考ください。
6月15日の振込額から増額!60歳から89歳までの「平均年金月額一覧表」とシニア世帯で増える非課税化の実態 2026年度の改定額や通知書のチェック方法、年代別の平均受給額と住民税非課税世帯の割合を徹底解説
4. モデルケース:65歳以上・無職夫婦世帯の家計収支
この章では、65歳以上無職の夫婦世帯のひと月の家計収支を見ていきます。
総務省が公表する「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」を参考にしましょう。
4.1 65歳以上・無職夫婦世帯の収入内訳
- 実収入:25万4395円
- うち社会保障給付:22万8614円 ※主に年金
4.2 65歳以上・無職夫婦世帯の支出内訳
- 実支出:29万6829円
- うち消費支出:26万3979円
消費支出とは、いわゆる生活費のことです。内訳は以下のとおりです。
- 食料:7万8964円
- 住居:1万7739円
- 光熱・水道:2万3540円
- 家具・家事用品:1万1237円
- 被服及び履物:5354円
- 保健医療:1万7941円
- 交通・通信:3万1325円
- 教育:0円
- 教養娯楽:2万6538円
- その他の消費支出:5万1341円
- うち諸雑費:2万2047円
- うち交際費:2万3257円
- うち仕送り金:1135円
なお、非消費支出は3万2850円となっており、内訳は次のとおりです。
- 直接税:1万2547円
- 社会保険料:2万296円
この夫婦世帯の場合、ひと月の実収入25万4395円に対し、支出は合計29万6829円で、月の家計収支は4万2434円の赤字となっています。
今回は、公的年金の仕組みや平均受給額、そして高齢者世帯の家計収支について、さまざまなデータをもとにご紹介しました。
平均額やモデルケースを知ることで、ご自身の状況を客観的に捉えるきっかけになったのではないでしょうか。
もちろん、年金の受給額は現役時代の働き方や加入期間によって一人ひとり異なります。
大切なのは、平均と比較して一喜一憂するのではなく、ご自身の年金見込額を正確に把握し、将来のライフプランに合わせた資金計画を立てることです。
年に一度送られてくる「ねんきん定期便」を確認したり、お近くの年金事務所に相談したりするのも一つの方法です。



