3. 市場はさらに強気? コンセンサス予想と会社予想の「乖離」を読み解く

劇的なV字回復を果たした太陽誘電ですが、投資家の関心はすでに「来期はどうなるのか」という点に向かっています。

会社側が発表した来期(2027年3月期)の業績予想は、売上高3,840億円(前期比プラス8.1%)、営業利益300億円(同プラス50.0%)、当期純利益180億円(同プラス21.6%)と、引き続き力強い増収増益を見込んでいます。

しかし、ここで注目すべきは「市場の期待」とのギャップです。証券会社のアナリストたちが予測する業績の平均値である「IFISコンセンサス」によれば、市場は太陽誘電の来期の営業利益を378億円と予想しています。

会社が提示した300億円という数字に対して、市場は78億円も上振れると見ているのです。

この強気な見方の背景には、足元の旺盛な需要を示すデータがあります。

受注高・受注残高の推移とBBレシオ3/4

受注高・受注残高の推移とBBレシオ

出所:太陽誘電「2026年3月期 決算説明会資料」(2026年5月8日)p.8

決算説明会資料によれば、需要の先行指標となる「BBレシオ(Book-to-Bill Ratio:受注額を出荷額で割った比率)」は、全社で1.25、主力のコンデンサ部門では1.31と、基準となる「1」を大きく上回っています。

これは、工場で作って出荷する以上のペースで注文が殺到している状態を意味します。直近第4四半期の受注高は過去8四半期で最高を記録し、作りきれなかった「受注残高」も積み上がっています。

こうしたデータと、先述した「限界利益率の高さ」を考慮し、アナリストたちは「売上が少しでも上振れれば、利益は会社予想を大きく超えてくるはずだ」と計算しているわけです。

泉田氏も、現在の市場の熱量について次のように分析します。

「市場は結構もう既に強気。いろんなものを織り込んでる」

現在の株価には、すでにこうしたバラ色のシナリオがかなり織り込まれている状態だと言えます。