ダイドードリンコ株式会社が10月1日(木)納品分より一部商品を除く缶商品、ボトル缶商品、ペットボトル商品の+10~15%値上げを発表するなど、値上げのニュースは6月も相次いでいます。まだまだ値上げの終わりは見えないからこそ、1年の折り返しであるこの季節は家計や貯蓄を見直したいもの。

とくにひとりで暮らす40〜50歳代は、家計を自分ひとりで支える前提もあり、老後に向けた備えを早めに整えておきたいところです。まずは同世代がどれくらい貯蓄を持っているのかをみていきましょう。

今回は、おひとりさま40〜50歳代の平均貯蓄額と中央値を確認したうえで、ひと足先に還暦を迎える世代が「60歳以降も働きたい」と考えた理由もみていきます。

1. 【40〜50歳代おひとりさまの貯蓄額】平均・中央値はいくらか?

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、おひとりさま40〜50歳代の金融資産保有額は次のとおりです。

※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。

1.1 40歳代(単身世帯)の貯蓄額(平均・中央値)

  • 40歳代単身世帯:平均859万円/中央値100万円

1.2 50歳代(単身世帯)の貯蓄額(平均・中央値)

おひとりさま50歳代の貯蓄額2/2

おひとりさま50歳代の貯蓄額

出所J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 50歳代単身世帯:平均999万円/中央値120万円

40歳代・50歳代とも、中央値は100万円前後にとどまっています。平均(800万〜1000万円台)との開きが大きいのは、貯蓄の多い一部の世帯が平均を押し上げているためです。多くの人の実感により近いのは、中央値のほうといえるでしょう。

金融資産を持たない「貯蓄ゼロ」の人は、40歳代で32.1%、50歳代で35.2%。一方で「2000万円以上」ある人も、40歳代12.7%、50歳代15.9%います。蓄えのある人とない人の幅が大きいのが、おひとりさまの40〜50歳代の特徴といえます。

2. 「今年60歳の人」が60歳以降も働きたい理由は?

40〜50歳代にとって、老後の働き方はまだ先のことに感じるかもしれません。そこで、ひと足先に還暦を迎える世代の声を参考にみてみましょう。PGF生命が2026年に60歳を迎える人に行った「2026年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」(PGF生命調べ・1966年生まれの男女2000名・全国・インターネット調査)によると、59歳時点で就労をしている・していた人(1,488名)の中で、60歳以降も働きたい人は86.0%。

59歳時点で就労をしている・していた人の中で60歳を過ぎても働きたいと思う人(1,279名)に、60歳以降も働きたい理由は次のとおりです。

2.1 60歳以降も働きたい理由(複数回答)

  • 働かないと生活費が不足するから:53.9%
  • 健康を維持したいから:42.1%
  • 人と関わりを持ちたいから:32.0%
  • その歳までは元気に働けると思うから:40.4%
  • 趣味やレジャーのためのお金が必要だから:30.6%

最多は「働かないと生活費が不足するから」で、5割を超えました。物価高が続く現代において、年金収入だけでは暮らしをまかないにくいと感じる人が多いことがうかがえます。より老後資金の必要性を感じる方もいるのでしょう。

一方で、健康維持や人との関わり、趣味のための資金といった、お金以外を理由に挙げる人も少なくありません。働くことには収入を得るだけでなく、生活にメリハリがついたり、社会とのかかわりが増えたり、楽しみがあったりといったところもありますよね。こちらに関しては「老後どのような暮らしを送りたいか」というところにも関わってきますので、一度具体的にイメージしてみるといいでしょう。

3. 40〜50歳代のいま、老後に向けて何を始める?

貯蓄の状況と、少し先の世代の声をふまえて、40〜50歳代のうちにできることを2つの方向からみていきましょう。

3.1 長く働ける土台をつくる

現代においては60歳代で働く方も一般的であり、昔に比べれば長く働く時代となりました。キャリアについても長い目でみて具体的に考えていくとよいでしょう。以前に比べると職種や働き方の選択肢も増えています。

また、働き続けるためにも健康であることは大切ですので、早くから健康についても意識したいですね。

3.2 自分のペースで備えを積み上げる

定年や年金受給までには、まだ10〜25年程度の時間があります。預貯金で生活防衛資金を確保したうえで、新NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度を使い、長期で少しずつ積み立てるのも一つの方法です。預貯金より効率的に積み立てられる場合もあるでしょう。

ただし、投資には元本割れのリスクがあります。金融商品や投資方法などによってリスクが異なるため、ご自身の家計や考え方、リスク許容度に合うものを無理のない範囲で検討したいところです。

4. まとめにかえて

おひとりさま40〜50歳代の貯蓄は、中央値でみると100万円前後。「貯蓄ゼロ」も3割を超え、蓄えには人によって幅があります。ひと足先に還暦を迎える世代では、6割近くが「生活費のために」60歳以降も働きたいと考えていました。

長期的に見たキャリア形成に健康維持と、コツコツ積み上げる備え――これらが老後の安心に少しずつつながっていくところもあるでしょう。梅雨で家にいる時間が増えるいま、将来の働き方とお金に、少し目を向けておきたいですね。

参考資料