2026年6月も下旬に差し掛かりました。今月15日には、改定後の新しい年金額が初めて支給された方も多いのではないでしょうか。2026年度の公的年金額は、老齢年金だけでなく、遺族年金や障害年金も改定の対象です。
本記事では、それぞれの年金がどのように見直されたのか、具体的な金額を交えて詳しく解説します。ご自身の受給額と照らし合わせながら、変更点を確認していきましょう。
1. 2026年度の老齢基礎年金、満額「月額7万円台」突破。夫婦2人分の標準的な年金額は?
老齢年金は、高齢期の生活基盤を支える重要な制度です。
昭和31年4月2日以降に生まれた新規裁定者の場合、老齢基礎年金の満額は月額7万608円です。
これは前年度から1300円の増額となります。
また、昭和31年4月1日以前に生まれた方も、同様に増額改定の対象に含まれます。
厚生労働省が公表している、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額のモデルケースは、月額で23万7279円とされています。
1.1 年金に上乗せされる「老齢年金生活者支援給付金」とは?給付基準額は月5620円へ
老齢年金とあわせて、年金生活者支援給付金の給付基準額も改定され、月額5620円に見直されました。
この給付金を受け取るためには、以下の全ての条件を満たす必要があります。
- 65歳以上であり、老齢基礎年金を受給中であること
- ご自身を含む世帯全員の住民税が課されていないこと
- 前年の公的年金などの収入額と、それ以外の所得額の合計が、定められた基準額以下であること
所得が基準を少しだけ超えてしまう方のために、受給額の不公平感をなくす目的で「補足的老齢年金生活者支援給付金」という制度も設けられています。
2. 2026年度の障害基礎年金、年間支給額「1級105.9万円、2級84.7万円」+子の加算額
障害年金とは、病気やけがが原因で生活や仕事に制約が生じた際に、現役世代の方々も含めて受給できる公的年金制度です。
この制度の対象は、手足の障がいといった外部からわかるものに限りません。
呼吸器疾患、心疾患、腎疾患といった内部障がいや、精神障がい、知的障がいも幅広く含まれます。
障害年金には更新が必要なケースがあり、その場合は定期的に診断書を提出し、再認定を受けることになります。
2026年度における障害基礎年金の金額
(昭和31年4月2日以降に生まれた方の場合)
- 1級は年額105万9125円に、子の加算額が上乗せされます。
- 2級は年額84万7300円に、子の加算額が加わります。
昭和31年4月1日以前に生まれた方も、同じく増額の対象となります。
子の加算額について
この加算は、生計を同一にする子がいる場合に適用されます。
- 第1子・第2子については、それぞれ年間24万3800円です。
- 第3子以降は、1人あたり年間8万1300円が加算されます。
2.1 障害年金生活者支援給付金の給付額はいくら?
障害基礎年金を受給している方で、所得が一定の基準を下回る場合、障害年金生活者支援給付金を受け取れることがあります。
2026年度の障害年金生活者支援給付金の詳細
- 障害等級1級の方は、月額7025円です。
- 障害等級2級の方は、月額5620円です。
この給付金は、前年の所得などの支給要件を満たす障害基礎年金の受給者に支給されます。
受給者の年齢層を見ると、50歳代が中心となっているのが特徴です。
3. 2026年度の遺族基礎年金、子のある配偶者「年間84.7万円」+子の加算額
遺族年金は、一家の生計を担っていた方が亡くなった場合に、のこされたご家族の生活を経済的に支えることを目的とした制度です。
2026年度の遺族基礎年金の金額
(昭和31年4月2日以降に生まれた方の場合)
- 子がいる配偶者が受給する場合、年額84万7300円に子の加算額がプラスされます。
- 子が受給する場合、年額84万7300円に2人目以降の子の加算額がプラスされます。
子の加算額は以下の通りです。
- 第1子・第2子は、それぞれ年間24万3800円です。
- 第3子以降は、1人あたり年間8万1300円となります。
配偶者がいないケースなどでは、子が直接この年金を受け取ることになります。
その場合、年金の総額を対象となる子の人数で均等に分けた金額が、それぞれの子の受給額です。
遺族厚生年金の金額は、故人の老齢厚生年金における報酬比例部分の4分の3が基本となります。
例えば妻と子2人の家庭では、生計を共にしていた配偶者へ優先的に支給されます。
その期間、子への支給は停止されますが、世帯としての受給する権利自体が消滅するわけではありません。
3.1 遺族年金生活者支援給付金の概要
遺族年金生活者支援給付金についても、2026年度の給付額が改定されています。
2026年度における遺族年金生活者支援給付金の金額
- 給付額は月額5620円です。
この給付金は、前年の所得などの要件を満たす遺族基礎年金の受給者が対象です。
もし2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、給付額を子の人数で割った金額が、それぞれの子に支払われることになります。
4. まとめにかえて
2026年度の公的年金は、老齢年金だけでなく障害年金や遺族年金も含めたすべての区分で増額改定が実施されました。6月15日の支給日には改定後の新しい金額が初めて振り込まれ、老齢基礎年金の満額は月額7万円台を突破しています。
また、所得が一定基準以下の受給者をサポートする「年金生活者支援給付金」も同時に引き上げが行われました。障害基礎年金や遺族基礎年金においては、生計を共にする子がいる場合の加算額も生活を支える重要な要素となります。ご自身の受給額や通知書をしっかりと確認し、改定内容をこれからの生活設計や家計管理に役立てていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
- 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」
- 日本年金機構「「年金額改定通知書」と「年金振込通知書」(年金受給者用:はがきサイズ)」
村岸 理美