内閣府が7月8日に公表した「令和8年6月調査結果:景気ウォッチャー調査」によれば、景気の現状判断DI(季節調整値)は44.0(前月差0.4ポイント上昇)となり、緩やかな持ち直しの動きがうかがえます。

社会全体として景気に明るい兆しが見える中、将来を見据えたお金の準備に関心が向く方も多いのではないでしょうか。

私自身、金融の世界に入ってから、月々数万円の積み立て投資が長期でこれほど強力な効果を生むのかと驚き、日々の無駄遣いを見直すようになりました。

これまで国内証券会社において個人・法人双方の資産運用に携わり、現在もサポートを続ける立場を通じても、地道な準備と正確な制度理解が安心に直結すると実感しています。

老後の収入の柱となる年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっており、現役時代の働き方によって受給金額が大きく左右されます。

また、都度の制度改定により、それぞれの年金受取額は変わってきており、2025年度の受取額は前年度比で増額となっています。

本記事では、受給額についてのデータを元に、それぞれのパターンにおけるモデルケースについて解説していきます。

1. 日本の公的年金の「2階建て」構造とは

日本の公的年金には「国民年金」と「厚生年金」があり、下の体系図のような「2階建て」構造となっています。

日本の公的年金制度のしくみ1/6

日本の公的年金制度のしくみ

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 1階部分:全国民共通の国民年金(基礎年金)について

まずは1階部分にあてはまる「国民年金」について解説します。国民年金制度では、原則として国内居住者のうち「20歳以上60歳未満」のすべての人が加入対象です。

国民年金保険料は全国一律で、年度ごとに見直しが実施されます。ちなみに2026年度の月額は1万7920円です。

もし40年間保険料を漏れなく納めた人は、65歳以降に満額の老齢基礎年金(2026年度の月額は7万608円)が受給でき、未納期間があればその分が差し引かれるという仕組みです。

1.2 2階部分:会社員や公務員が加入する厚生年金について

続いて、2階部分に位置する厚生年金制度を見ていきましょう。こちらに加入できるのは、会社員や公務員、さらに特定適用事業所で働くパートなど、一定の要件をクリアした人です。

厚生年金に単体で加入するのではなく、国民年金と併せて加入するため、2階建てと言われます。

国民年金と異なり、厚生年金保険料は給与水準により決定されるので、収入が高いほど保険料も上がります。ただし上限が設けられるため、一定以上の人はみな同じ保険料となります。

厚生年金に加入した期間や支払った保険料によってもらえる年金額が決まるため、受給額は個人ごとにばらつきが出るのが特徴です。