4. 年金収入だけで「3割負担」になる人はどのくらいいる?

公的年金の収入が年間383万円(月額換算で約32万円)を超えると、医療費の自己負担割合が3割となる可能性があります。では、実際にこの水準に該当する人はどのくらいいるのでしょうか。

【年金一覧表】厚生年金+国民年金「男女別」受給月額3/3

厚生年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の受給者のうち、月額30万円以上を受け取っている人は約1万9000人にとどまっています。

受給者全体から見ると、その割合は大きくありません。

こうした分布を踏まえると、年金収入を主な収入源とする人の多くは、医療費の自己負担割合が1割または2割に収まるとみられます。

もっとも、自己負担割合は年金収入のみで判定されるものではありません。年金以外の所得の有無や、世帯の収入状況によっても取り扱いが変わります。

自己負担割合を判断する際は、年金額だけで決めつけず、自身の所得区分を確認することが大切です。

加藤 聖人
月30万円以上の受給者が全体のごく一部だとしても、退職金の一時所得や不動産所得などが重なれば、3割負担の基準を超えることは十分にあり得ます。年金額だけでなく、世帯全体の所得を通期で把握しておくことをおすすめします。

5. まとめ

後期高齢者医療制度では、75歳以上の人などを対象に、所得に応じて医療費の窓口負担割合が1割・2割・3割に分かれます。単身世帯で3割負担となる目安の一つが、収入金額383万円以上です。

ただし、厚生年金の受給額分布を見ると、月額30万円以上を受け取る人は限られており、年金収入だけで3割負担に該当する人は多くないと考えられます。

一方で、窓口負担割合は年金収入だけで決まるわけではありません。

不動産所得や給与収入、世帯構成によっても変わるため、自治体から届く通知や資格確認書などで、自分の負担割合を確認しておきましょう。

参考資料

加藤 聖人