4. まとめにかえて

60歳代の貯蓄は、単身で平均1364万円(中央値300万円)、二人以上で平均2683万円(中央値1400万円)でした。2000万円以上を貯めた世帯は限られ、不安を抱える人は少なくありません。

そこで効くのが「長く働く」という発想です。収入の確保と老後期間の短縮を同時に実現できるため、貯蓄額そのものへの不安をやわらげる現実的な一手になります。これまでの経験や知識を活かしつつ、無理のない範囲で働く選択肢を探してみてはいかがでしょうか。

5. 【監修者のコメント】この記事の総括とこれからの実務上の注意点

齊藤 慧

本記事で解説されている60代の貯蓄データは、ご自身のライフプランを検討するうえで有益な参考資料となります。

ニュースで報じられる『平均貯蓄額』や『老後2000万円』という特定の数字にとらわれ、現状を過度に悲観してしまう方もいるのではないでしょうか。

統計上の平均値は、一部の富裕層のデータによって実態より高く算出される傾向があります。

そのため、平均に届いていないからといって無理な節約に走ったり、内容を理解していない投資商品に手を出したりするのは避けるべきです。

老後の家計管理において優先すべきは、手元にある貯蓄額の多寡よりも、ご自身のペースで『長く働く』選択肢を持ち、毎月の赤字額を減らす工夫をすることです。

世間の数字に一喜一憂せず、手取りの範囲内に基本の生活費を収めるという基本を淡々と実践することが、将来のキャッシュフローを安定させる防衛策となります。

参考資料

柴田 充輝