3. 貯蓄不安をやわらげる現実的なアプローチ。シニアの「長く働く」選択肢

貯蓄額に不安があるほど「できるだけ長く働く」選択が効いてきます。貯蓄を増やす効果と、取り崩し期間を短くする効果の両方が得られるからです。

理由は、老後の必要資金が「年間支出×老後の年数」で決まる点にあります。65歳でリタイアすれば老後は20年以上ですが、70歳まで働けば、その期間は5年分も縮みます。

たとえば年間の生活費の不足分が50万円の世帯なら、リタイアを5年遅らせるだけで、取り崩すべき資金を250万円も減らせる計算です。収入を得ながら資産の寿命も延ばせるわけです。

なお、雇用形態は正社員にこだわる必要はありません。パートや業務委託、短時間勤務など、無理なく続けられる形で問題ありません。重要なのは収入の多寡より「長く続けられるか」です。

実際に、総務省の統計では、2024年の65歳以上の就業者数は930万人と過去最多でした。65歳以上の就業率も25.7%となり、「65~69歳」「70~74歳」「75歳以上」の各年齢階級で過去最高となっています。

65歳以上の年齢階級別就業率の推移3/3

65歳以上の年齢階級別就業率の推移

出所:総務省「統計からみた我が国の高齢者」

その意味で、自分の好きな仕事や、これまでの経験・強みを活かせる仕事を選ぶ視点が大切になります。やりがいを感じられる仕事であれば、結果的に就労期間が延び、老後の安心につながるでしょう。