国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の平均給与は477.5万円となりました。
男女別では男性が586.7万円、女性が333.2万円となっており、全体として緩やかな上昇傾向が続いています。
本記事では、この最新データをもとに、一つの節目とされる「年収700万円」に焦点を当て、その実態を詳しく解説します。
1. 年収700万円超の人は全体の何%を占める?
年収700万円という水準は、日本の給与所得者の中でどの位置にあるのでしょうか。
給与階級別分布のデータを見ると、年収700万円超の割合(「700万円超〜800万円以下」から「2500万円超」までの各階級の合計)は、全体で17.3%となっています。
つまり、年収700万円を超えている人は、全体の上位約17.3%に位置するビジネスパーソンということになります。
このデータを男女別で詳しく見ていくと、顕著な格差が浮かび上がります。
男性の場合、年収700万円超の割合は25.9%にのぼり、約4人に1人がこの基準を満たしています。
一方で女性の場合、年収700万円超の割合はわずか5.7%にとどまり、到達している人は20人に1人未満という厳しい現実があります。
年収700万円は、全体で見れば十分に「高年収層」と呼べる水準ですが、特に女性にとっては依然として非常に高い壁となっていることがデータから分かります。
2. 年収は年齢に比例する?
一般的には年齢を重ね、キャリアを積むほど年収は上昇していくと考えられています。
近年は大企業の初任給引き上げなどにより若年層の給与水準にも変化の兆しが見られますが、年齢階層別の平均給与データを詳しく見ていくと、男女でその軌跡が大きく異なります。
男性の平均給与は、年齢とともに順調に上昇していきます。
25〜29歳では437.6万円ですが、30代、40代と順調に推移し、55〜59歳で734.6万円に達してピークを迎えます。この50代後半のタイミングで、男性の平均給与は目標となる700万円を突破する水準になります。しかし、定年や役職定年を迎える60〜64歳になると604.4万円へと急落する特徴があります。
一方で、女性の年齢階層別データは全く異なる推移を示します。女性は25〜29歳で370.1万円となった後、55〜59歳の356.2万円にいたるまで、すべての年齢層で350万〜370万円台を推移し、ほぼ横ばいの状態が続きます。女性の平均給与のピークは45〜49歳の368.6万円となっており、男性のような50代にかけての大幅な上昇は見られません。
このように、30代以降は年齢が上がるにつれて男女の給与格差が拡大し続ける構造になっており、年齢による年収の伸びは男性主導のトレンドであることが分かります。
3. 業種によって年収はこんなに違う
年収700万円を目指す上で、どの「業種」に身を置くかは非常に重要な要素です。
データによると、最も平均給与が高い業種と最も低い業種の差は、約553.1万円にも達しています。
全14業種のうち、最も平均給与が高いトップ3は以下の通りです。
- 1位:電気・ガス・熱供給・水道業(832.4万円)
- 2位:金融業・保険業(702.3万円)
- 3位:情報通信業(659.5万円)
首位のインフラ産業は832.4万円と突出しており、2位の金融業・保険業も702.3万円と、業種全体の平均の時点で目標となる700万円を超えています。また、男性の数値に限れば、金融業・保険業が898.1万円、電気・ガス・熱供給・水道業が878.5万円と、900万円に近い水準となっています。
反対に、平均給与が低いワースト3の業種は以下の通りです。
- 12位:サービス業(389.1万円)
- 13位:農林水産・鉱業(347.9万円)
- 14位:宿泊業・飲食サービス業(279.3万円)
最下位の宿泊業・飲食サービス業は279.3万円となっており、トップの業種と比べると大きな開きがあります。これらの業種では、平均給与が300万円台以下にとどまっているのが現状です。
現在働いている業種や、これから転職を検討する業種がどこに位置しているかによって、年収700万円への到達難易度は大きく変わると言えます。
4. まとめ
令和6年分の調査データから、年収700万円超の人は全体の上位17.3%にあたる高所得層であることが分かりました。
男性では約4人に1人が到達しているものの、女性では5.7%と極めて限られた割合となっています。
また、年齢とともに給与が上がる傾向は男性で強く見られますが、業種による格差も非常に大きいため、どの産業を選択するかが年収を大きく左右する重要な鍵を握っています。
参考資料
和田 直子