夏の訪れとともに、山は色とりどりの高山植物で華やぎます。特に夏は、美しい花々が咲き誇る絶好のシーズン。厳しい自然環境でたくましく咲く可憐な花々の姿は、筆者を含め、多くの登山者を魅了してやみません。
そこでこの記事では、筆者が夏の山で出会った素敵な高山植物を5種類、実際の写真とともにご紹介します。さらに、登山初心者の方でもロープウェイやリフトなどを使って気軽に高山植物を楽しめる山を、3カ所ピックアップしました。
夏の旅行や避暑の計画に、ぜひ参考にしてくださいね。
1. 夏に見頃を迎える高山植物と、初心者でも楽しめる山々をご紹介
登山道脇に咲くキンコウカ1/11
筆者撮影(秋田県 森吉山)
- キンコウカ
- ハクサンフウロ
- クルマユリ
- チングルマ
- ニッコウキスゲ
- 森吉山ゴンドラ(秋田県)
- 車山高原展望リフト(長野県)
- 谷川岳ロープウェイ・リフト(群馬県)
高山植物は、山域やその年の気候によって、開花期が異なります。また、同じ植物でも山域や標高などによって、花や葉などの色・形が多少異なるものもあります。
自然を守るため、山での植物採取は原則禁止です。また、決められた登山道以外の場所を歩くことも、植物の生育環境を壊すことにつながります。
植物の中には毒をもつものもあるため、安易に触らず、目で見たり写真を撮ったりして楽しみましょう。
2. 《7~8月頃に開花》筆者が出会った夏山を彩る美しい高山植物5選
2.1 キンコウカ:きらめく星のように繊細な花
キンコウカ2/11
筆者撮影(秋田県 森吉山)
まるで夜空にきらめく星のような、美しく繊細な花を咲かせるキンコウカ。群生している場所では、あたり一面が鮮やかな黄色に染まる美しい光景を見ることができます。
シャープな印象の葉は、秋になると美しいサーモンピンク色に変化し、草紅葉の一部として登山者の目を楽しませてくれます。
2.2 ハクサンフウロ:足元に咲く可憐な花
ハクサンフウロ3/11
筆者撮影(群馬県・新潟県 谷川岳)
薄紫色やピンク色の可憐な花が魅力のハクサンフウロ。秋には葉が鮮やかな赤色に染まり、美しい紅葉も楽しめます。園芸植物の「ゲラニウム」は、このハクサンフウロの仲間です。
登山で疲れたときに、ふと足元で咲いているこの愛らしい花を見つけると、心が和むのを感じます。
2.3 クルマユリ:オレンジ色が目を引く愛らしい花
クルマユリ4/11
筆者撮影(秋田県 森吉山)
鮮やかなオレンジ色の花が印象的なクルマユリ。少しうつむき加減に咲き、花びらがくるんと反り返る姿がとても愛らしい植物です。
同じユリ科のニッコウキスゲと比べるとやや小ぶりですが、夏の山ではオレンジ色の花が少ないため、ひときわ目を引く存在です。
2.4 チングルマ:花から綿毛、紅葉まで楽しめる
チングルマの花5/11
筆者撮影(秋田県・山形県 鳥海山)
ふわふわの綿毛も愛らしい6/11
筆者撮影(秋田県 森吉山)
チングルマは、高山の「お花畑」を代表する植物の一つ。可憐で愛らしい白い花が一面に広がる様子は花のじゅうたんのようで、素敵な光景です。
花が終わった後にできる、ふわふわとした綿毛も見応えがあり、雨や朝露に濡れるとキラキラ輝きます。さらに秋には葉が真っ赤に染まる紅葉も鮮やか。初夏から秋まで季節ごとに美しい姿が見られるため、ファンの多い高山植物です。
2.5 ニッコウキスゲ:鮮やかな黄色が群生する絶景
ニッコウキスゲ7/11
筆者撮影(秋田県 森吉山)
すっと伸びた茎の先に咲く、鮮やかな黄色の花が美しいニッコウキスゲ。環境が合えば比較的標高の低い場所でも生育するため、厳密には高山植物ではありませんが、高山の湿原や草原地帯に多く群生する植物です。
一つひとつの花は咲いたその日のうちにしぼんでしまうため、開花期は短め。運良く開花のピークに当たると、一面に黄色い花が咲き、息をのむほどの美しい景色が広がります。
3. 初心者でも高山植物に会いに行ける《ロープウェイ・リフト》3選
初心者向きでも、山は大自然。急な天候や気温の変化がある可能性が高い場所です。雨予報ではなくても雨具(レインウエア)をリュックに入れておき、水や食料を多めに持って行きましょう。
また、ハイキングコースや登山道は舗装されていない道がほとんどです。歩きやすいスニーカーや登山靴を履き、時間に余裕をもって楽しんでください。
3.1 【秋田県】森吉山ゴンドラ
森吉山ゴンドラ山麓駅舎8/11
筆者撮影
森吉山ゴンドラからの景色9/11
筆者撮影
花の百名山にも選ばれている森吉山は、地元で「花の森吉」として親しまれています。ゴンドラの山麓駅から山頂駅まではバリアフリーに対応しており、車いすやベビーカーを使用している方、体力に自信がない方でも山の景色を楽しめるのが魅力です。
ゴンドラ山頂駅から少しだけ斜面を登ると、日本海まで一望できる展望台があり、その周辺だけでも多くの高山植物に出会えます。秋には山全体が美しく紅葉し、冬には日本三大樹氷の一つに数えられる「スノーモンスター」が見られるなど、四季を通じて楽しめる山です。
※ゴンドラ参考価格:ゴンドラ往復券 大人2200円
3.2 【長野県】車山高原展望リフト
リフトで気軽に山頂まで行ける山10/11
筆者撮影
車山は、日本百名山の一つである霧ヶ峰の最高峰ですが、リフトを使って手軽に山頂まで行けるのが大きな魅力です。山麓から2本のリフトを乗り継いで山頂に到着すると、目の前にはなだらかな高原が広がります。素晴らしい展望と心地よい風を感じながら、のんびりとハイキングを楽しめますよ。
山頂から約30分下った場所には車山湿原があり、木道の上を歩きながらさまざまな植物を観察できるのも嬉しいポイント。車でのアクセスも良く、ハイキングが初めてという方にもおすすめの山です。
※展望リフト参考価格:山麓~山頂(スカイライナー + スカイパノラマ)大人往復2500円
3.3 【群馬県】谷川岳ロープウェイ・リフト
土合口駅から行ける一ノ倉沢も壮観11/11
筆者撮影
日本百名山の一つである谷川岳は、荒々しくも壮大な景観が魅力の山です。山頂を目指すには本格的な登山装備と技術、体力が必要ですが、ロープウェイを利用すれば、その雄大な景色を手軽に満喫できるハイキングが楽しめます。
初心者の方には、谷川岳ロープウェイの土合口駅からロープウェイとリフトを乗り継いでアクセスできる、天神峠周辺の散策がおすすめです。展望台から迫力ある谷川岳の姿を眺めたり、登山道脇に咲く高山植物を観察したりと、思い思いの時間を過ごせます。
また、ロープウェイ土合口駅近くの谷川岳山岳資料館前から、電気バスに乗って行ける「一ノ倉沢」も、ぜひ訪れてほしい絶景ポイント。岩壁が広がる、息をのむような絶景が楽しめます。
※ロープウェイ・リフト参考価格:ロープウェイ・リフトセット券 大人往復3600円
4. 今年の夏は美しい高山植物に会いに出かけませんか
夏に見頃を迎える高山植物と、ロープウェイなどを利用して気軽に訪れることができる山をご紹介しました。この夏、訪れてみたい場所や見てみたい花は見つかりましたでしょうか。
この記事で紹介した以外にも、夏に美しい花を咲かせる高山植物や、初心者でも楽しめる山は数多く存在します。これからの季節、お出かけや避暑の計画を立てる際に参考にしていただければ幸いです。
※掲載している各リフト・ロープウェイなどの料金は、記事作成時点の参考価格です。ご利用の時期や条件によって変動する場合がありますので、最新の情報は各施設の公式サイトにてご確認をお願いします。
※この記事は再編集記事です
5. 公式サイト情報
鈴森 真樹