5. 次なる成長の鍵「ASI(超知能)」戦略の全貌

ソフトバンクグループは単なる投資ファンドとして利益を追求するだけでなく、投資先を組み合わせて新たなテクノロジーの世界を創り出そうとしています。

その中心にあるのが「ASI(アーティフィシャル・スーパーインテリジェンス=超知能)」戦略です。

同社はAIの世界を構築するために、不可欠な4つのテーマを設定し、それぞれに合致する世界的企業をポートフォリオに組み込んでいます。

  1. AIモデル:頭脳となる生成AI分野には、巨額の評価益をもたらした「OpenAI」
  2. フィジカルAI:AIを現実世界の物理的な動きに変換する分野には、産業用ロボット大手の「ABBロボティクス」
  3. AIインフラ:膨大な計算処理に必要な電力を供給する分野には、「SB Energy」
  4. AIチップ:計算処理を担う半導体の設計分野には、傘下の「Arm」

ASI(超知能)戦略の4つのテーマ4/4

ASI(超知能)戦略の4つのテーマ

出所:決算説明会資料を基にイズミダイズム作成

このように、AIの進化に必要な「頭脳」「肉体」「電力」「半導体」のすべてを自社の投資先エコシステムの中で完結させようとしているのが、現在のソフトバンクグループの真の姿です。

6. まとめ:事業構造から読み解く今後の焦点

売上高とほぼ同額の5兆円超という最終利益を叩き出したソフトバンクグループ。その業績好調の背景には、OpenAIへの集中投資という大胆な決断と、借入を活用しながらも暴落リスクをコントロールする緻密な財務戦略がありました。

未上場企業を中心とする複雑なポートフォリオを持つ同社は、一般的な事業会社と同じ指標で評価することが極めて困難です。

泉田氏も、機関投資家として同社を分析することの難しさを認めた上で、最後に投資家が着目すべき本質的な価値について次のように結論づけました。

「ソフトバンクグループは今日見たように分析しにくいんですよ。ただ、僕はやっぱり一つ評価すべきだなと思っているのは、孫さんにしかできない投資というのがあるんですよ」

ソフトバンクグループの業績と成長性は、AIという歴史的な技術革新の波を捉え、世界最高峰の企業群を束ねる経営トップの「目利き力」と「実行力」に懸かっていると言えるでしょう。

※本記事は決算情報および動画内容の解説を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。

参考資料

  • ソフトバンクグループ株式会社「2026年3月期 決算短信」(2026年5月13日)
  • ソフトバンクグループ株式会社「2026年3月期 決算説明会資料」(2026年5月13日)
  • ソフトバンクグループ株式会社「2026年3月期 投資家向け説明会資料」(2026年5月13日)
  • ソフトバンクグループ株式会社「2026年3月期 データシート」
  • ソフトバンクグループ株式会社「2020年3月期 投資家向け説明会資料」
  • YouTubeチャンネル「イズミダイズム」