3. 【医療費控除】最大200万円の控除「対象になるのはどんな医療費?」

窓口負担の上限を超えた分が健康保険から払い戻される「高額療養費制度」とは異なり、「医療費控除」は1年間で支払った医療費の合計が一定金額(基本的には10万円)を超過した際、確定申告を行うことで納めた税金(所得税など)の一部が還付される制度です。

3.1 ■対象となる医療費

1月1日〜12月31日の期間に、本人および生計を一にする家族のために支払った以下の費用が該当します。

  • 医師・歯科医師による診察や治療費
  • 治療目的でのあん摩マッサージ指圧師などによる施術費
  • 通院にかかった公共交通機関の運賃(電車やバスなど)
  • 風邪などの治療目的で購入した市販薬の代金

(※健康診断の費用や美容目的の整形手術などは対象外です)

3.2 ■計算方法(上限200万円)

以下の式で算出した金額(上限200万円)が所得から差し引かれます。

  • (1年間に支払った医療費の総額)-(生命保険の給付金や高額療養費などで補てんされる金額)-(10万円 または 総所得金額等の5%のいずれか少ない方の金額)

3.3 ■手続き方法(領収書は5年保管)

確定申告書とともに「医療費控除の明細書」、もしくは健康保険組合等が発行する「医療費通知」を提出します。申告時に領収書の添付は求められませんが、確定申告期限等から5年間は手元で保管する義務があります。病気やケガで出費が重なった年は、家族全員分の医療費を合算して確認することが推奨されます。

4. 【セルフメディケーション税制】年間1万2000円超の市販薬代で「税負担を軽減」

健康診断や予防接種を受けるなど、日頃から健康管理や疾病予防に努めている人が、特定の市販薬を1年間で1万2000円分より多く購入した場合に活用できる特例制度です。なお、先述の「医療費控除」とは選択制となっており、併用することはできません。

4.1 ■対象となる医薬品

薬局やドラッグストアで購入可能な「スイッチOTC医薬品」などの特定一般用医薬品等が対象です。対象となる商品を買った際のレシートや領収書には、この税制の対象品目であることが印字されています。

4.2 ■計算方法(上限8万8000円)

セルフメディケーション税制に係る医療費控除額の計算方法3/3

セルフメディケーション税制に係る医療費控除額の計算方法

出所:国税庁「パンフレット「暮らしの税情報」(令和8年度版)医療費を支払ったとき」

以下の計算式で出した金額(上限8万8000円)が所得控除の対象となります。

  • (1年間で購入した対象医薬品の総額)-(保険金などで補てんされる金額)- 1万2000円

4.3 ■手続き方法(領収書は5年保管)

確定申告の際、「セルフメディケーション税制の明細書」を作成・添付して提出します。こちらも、対象薬を購入したレシートや領収書は申告期限等から5年間保管しておく必要があります。市販薬を購入した際は、レシートの表示を確認する習慣をつけることが大切です。