3. 「年金だけでは足りない?」60歳代・70歳代のリアルな資金源は?データで見る老後の生活

ここまで雇用保険の給付金について解説してきましたが、実際のシニア世代はどのような資金で老後の生活を成り立たせているのでしょうか。

J-FLEC(金融経済教育推進機構)の調査データをもとに、60歳代・70歳代における「老後の資金源」の実際の内訳を確認してみましょう。

3.1 60歳代・70歳代の主な老後資金源(二人以上世帯・複数回答)

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出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO編集部作成

60歳代の主な老後資金源(複数回答)

【二人以上世帯】

  • 1位:公的年金(75.0%)
  • 2位:就業による収入(42.5%)
  • 3位:企業年金、個人年金、保険金(32.2%)
  • 4位:金融資産の取り崩し(30.1%)

【単身世帯】

  • 1位:公的年金(73.2%)
  • 2位:就業による収入(29.2%)
  • 3位:金融資産の取り崩し(28.5%)
  • 4位:企業年金、個人年金、保険金(17.5%)


70歳代の主な老後資金源(複数回答)

【二人以上世帯】

  • 1位:公的年金(87.3%)
  • ・2位:企業年金、個人年金、保険金(34.5%)
  • ・3位:金融資産の取り崩し(27.6%) ・(※就業による収入は18.7%へ減少)

【単身世帯】

  • 1位:公的年金(84.8%)
  • 2位:金融資産の取り崩し(29.6%)
  • 3位:企業年金、個人年金、保険金(17.4%) ・(※就業による収入は15.2%へ減少)

このデータからは、単身・二人以上世帯を問わず、60歳代では公的年金に次いで「就業による収入」が家計を支える重要な柱となっていることが明確にわかります。

しかし、70歳代になると「就業による収入」に頼る人の割合は大幅に減少し、公的年金への依存度が一層高まります。同時に、年金だけでは不足する生活費を「金融資産(貯蓄)の取り崩し」で補っている実態も示唆しています。

だからこそ、心身ともに働きやすい60歳代のうちに、今回ご紹介した「高年齢雇用継続給付」や「再就職手当」といった雇用保険の制度を最大限に活用することが重要になります。

公的な支援を受けながら長く安定して働くことで、「貯蓄を取り崩し始める時期」をできるだけ先延ばしにすること(資産寿命を延ばすこと)が、長期化する老後の生活を守るための有効な手段といえるでしょう。

4. まとめ:国の支援制度を賢く活用して安定した老後を

還暦を過ぎ、定年退職を迎えた後も、豊富な経験を活かして働き続けるシニア世代が着実に増えています。

60歳代、70歳代になっても就労することが珍しくない現代において、今回ご紹介したような公的給付を賢く、最大限に活用していく視点は、これまで以上に大切になってくるでしょう。

老後の資金計画を考える際、多くの場合は預貯金の取り崩し方法や、投資による「資産形成」といった自助努力にばかり目が向きがちです。

もちろんそれらも不可欠ですが、国や自治体が用意している支援制度にアンテナを高く張り、自分が対象となる権利を確実に形にしていくことも、同じくらい大切な「生活防衛」の手段です。

「長く働く」という前向きな選択を経済面から支えてくれる公的制度。

その仕組みを正しく理解し、機を逃さずに申請することが、これからの長いセカンドライフをより豊かで安定したものにするための確かな一歩となります。

※当記事は再編集記事です。

参考資料

LIMO編集部社会保障解説班