2026年も6月中旬を迎え、年の折り返し地点が近づいてきました。

この時期は夏のボーナスシーズンを控えていることもあり、ご自身の貯蓄や家計の状況を見直す良い機会かもしれません。

物価の上昇が続くなか、現役で働く世代にとっても将来への備えは大きな関心事でしょう。

特に、ひとりで家計を支える40〜50歳代の「おひとりさま」にとっては、貯蓄や将来の資金計画を早めに固めておきたいと考える方も多いのではないでしょうか。

この記事では、40〜50歳代の単身世帯における平均貯蓄額と、より実態に近いとされる中央値を確認します。

あわせて、手取り収入からどのくらいの割合を金融資産に振り分けているのか、その目安についてもデータをもとに見ていきましょう。

1. 40〜50歳代・単身世帯の貯蓄額はいくら?平均と中央値から実態を探る

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、40〜50歳代単身世帯の金融資産保有額は以下のようになっています。

※ここでいう金融資産保有額とは、預貯金に加えて株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額を指します。

ただし、日常的に利用する普通預金の残高は含まれていません。

1.1 単身世帯における40〜50歳代の貯蓄額(平均・中央値)

おひとりさま40歳代の貯蓄額1/2

おひとりさま40歳代の貯蓄額

出所J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」をもとにLIMO編集部作成

おひとりさま50歳代の貯蓄額2/2

おひとりさま50歳代の貯蓄額

出所J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 40歳代単身世帯:平均859万円/中央値100万円
  • 50歳代単身世帯:平均999万円/中央値120万円

40歳代、50歳代のいずれの世代でも、平均値と中央値には約8倍もの開きが見られます。

これは、一部の多くの資産を持つ世帯が平均値を引き上げていることを示唆しており、より実態に近いとされる中央値は100万円から120万円の範囲に収まっています。

分布の詳細を見ると、金融資産を全く保有していない「貯蓄ゼロ」世帯の割合は、40歳代で32.1%、50歳代で35.2%にのぼります。

これは、およそ3世帯に1世帯が貯蓄を持たない状況であることを意味します。

その一方で、2000万円以上の金融資産を持つ世帯も存在し、40歳代では12.4%(2000〜3000万円が2.8%、3000万円以上が9.9%)、50歳代では15.9%(同5.5%、10.4%)となっています。

このように、世帯間で保有する資産額には大きな差があり、二極化の傾向が見て取れます。

2. 年間手取り収入から貯蓄へ回す割合は?金融資産保有世帯の平均値

同じ調査では、年間の手取り収入からどの程度の割合を金融資産(預貯金、株式、投資信託、保険など)に回しているかというデータも示されています。

このデータは「金融資産を保有している世帯」のみを対象としており、貯蓄ゼロ世帯は含まれていません。

そのため、先ほどの平均値や中央値とは調査対象の母数が異なる点に注意が必要です。

  • 40歳代単身世帯(金融資産保有世帯):金融資産へ振り分けた35.0%/全く振り分けなかった65.0%/平均振り分け率37%
  • 50歳代単身世帯(金融資産保有世帯):金融資産へ振り分けた31.6%/全く振り分けなかった68.4%/平均振り分け率33%

40歳代と50歳代、どちらの世代も金融資産を保有する世帯のうち約3割が、手取り収入から何らかの形で資産形成を行っています。

しかし、その一方で「全く振り分けなかった」と回答した世帯は6割を超えています。

実際に振り分けた世帯に限定すると、その平均振り分け率は40歳代で37%、50歳代で33%と、比較的高い水準であることがわかります。

このように、同じ「おひとりさま」であっても、貯蓄が全くない方から、手取り収入の3割以上を金融資産に振り向けている方まで、その状況はさまざまです。

3. 40〜50歳代の単身者が老後資金のために今から始めたい2つのこと

40〜50歳代は、定年退職や公的年金の受給開始まで、まだ10年から25年ほどの期間があります。

これまでの貯蓄状況や収入からの振り分け率のデータを参考に、これから取り組めることを2つの観点から考えてみましょう。

3.1 家計管理の基本「先取り貯蓄」で貯蓄を習慣化する方法

毎月コンスタントに貯蓄を続けるためには、生活費を使った後に「余った分を貯蓄する」という考え方ではなく、「先取り貯蓄」を実践することが大切です。

給与が振り込まれたタイミングで、先に一定額を貯蓄や投資に回す仕組みを作れば、毎月着実に資産を積み上げていくことができます。

具体的な方法としては、勤務先の財形貯蓄制度、銀行の自動振替サービス、証券会社のつみたて投資の自動買付などが挙げられます。

まずは無理のない範囲の金額から始めて、家計に余裕が出てきたら徐々に金額を増やしていくのも一つの方法です。

なお、投資には価格変動などのリスクが伴うため、その点も考慮して検討することが重要です。

3.2 税制優遇が魅力の新NISA・iDeCoを長期的な視点で活用する

定年までにまだ時間があるこの年代は、税制上の優遇措置がある新NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)といった制度を活用する好機といえます。

まずは預貯金で万が一に備える生活防衛資金を確保し、その上で余裕資金を使い、無理のない範囲で長期的に継続することが基本となります。

もちろん、投資には元本割れのリスクが伴います。

どのような金融商品や投資手法を選ぶかによって結果は異なるため、ご自身の家計状況や投資に対する考え方、リスクをどの程度受け入れられるかを踏まえて、慎重に判断することが求められます。

4. まとめ:ご自身の状況に合わせた資産形成を

今回のデータで確認したように、40〜50歳代単身世帯の貯蓄額は、平均値では800万円台から900万円台に達する一方で、中央値は100万円から120万円台にとどまっています。

また、「貯蓄ゼロ」の世帯が約3分の1を占めるなど、世帯間での格差が大きいのが実情です。

定年や公的年金の受給開始までには10年から25年という期間があり、この時間を活かして「先取り貯蓄」や税制優遇制度を利用し、着実に備えを増やしていくことが可能です。

2026年も折り返し地点を迎えたこの機会に、ご自身の家計や貯蓄について一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。

※当記事は再編集記事です。

参考資料

マネー編集部貯蓄班