3. 貯蓄:平均貯蓄額2392万円。格差とインフレリスク
毎月の赤字を補うための頼みの綱が「貯蓄」です。
家計調査によると、75歳以上の無職夫婦世帯の平均貯蓄額は2392万円。そのうち6割超を、通貨性・定期性預貯金などの金融機関の預貯金が占めています。
二人以上世帯のうち「世帯主が75歳以上、無職世帯」の貯蓄額

出所:総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 2025年 〔二人以上の世帯〕」(第8-10表)をもとに筆者作成
毎月2万7000円(年間約32万4000円)の赤字が続いた場合、単純計算ではこの2392万円の貯蓄で約73年間もつことになります。
しかし、これはあくまで「追加の医療費や介護費が発生せず、物価も安定している」という極めて限定的な前提に基づいた、いわば「机上の空論」に過ぎません。
実際には、この平均額は一部の富裕層が引き上げている面が強く、貯蓄額がこれより大幅に少ない世帯も多く存在するという深刻な「資産格差」があります。
また、資産の多くを安全な預貯金に置いているため、昨今のようなインフレ(物価上昇)が長引けば、実質的な資産価値が目減りしていく点にも注意が必要です。
著者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)
監修者
LIMO編集部家計解説班は、株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、教育資金の計画や家計管理に精通した編集者が中心となり、文部科学省や各自治体などの公開情報等をもとに、奨学金をはじめとする教育資金や各種給付金、家計の見直しなど、読者のくらしに直結する情報をタイムリーにお届けしています。
LIMO編集部家計解説班に所属する編集者は、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやかなどの資産運用アドバイザー経験者等で構成されています。トップセールスで多数の表彰歴を持つ編集者など、表彰歴多数の編集者も複数在籍。各々がFPとして若年層から富裕層までの相談経験があり、家計管理や資産運用、老後資金のアドバイスなど、豊富な経験と知識に基づき読者に正確な記事を届けています。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2026年6月17日)