2. 年金額が増えても安心とは言えない理由
2026年度(令和8年度)の公的年金は、国民年金(老齢基礎年金)が前年度比1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が同2.0%引き上げられ、4年連続の増額改定となりました。
しかし、年金額が増えたからといって、必ずしも生活が楽になるとは限りません。
その理由は、物価上昇のペースが年金額の伸びを上回っているためです。
年金額の改定には、「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みが適用されています。
これは、少子高齢化による現役世代の負担増を抑えながら、将来にわたって年金制度を維持するための調整制度です。
年金額は本来、物価や賃金の変動をもとに見直されますが、マクロ経済スライドによって一定の調整率が差し引かれます。
2026年度は物価変動率が3.2%だったのに対し、年金額の改定率は国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%にとどまりました。
つまり、受給額自体は増えているものの、物価上昇率には追いついておらず、実質的な購買力は低下している状況です。
同じ年金額でも購入できる商品やサービスが減るため、「年金は増えたのに生活が苦しい」と感じる人もいるでしょう。
なお、実際の受給額は加入期間や収入によって異なるため、自身の年金額を把握することが大切です。
年金受給者には改定時期に「年金振込通知書」が送付されるため、一度確認しておくとよいでしょう。
