2. 安易に引き出すと「借金も相続」することになる可能性がある

故人の口座から預金を引き出す行為は、法律上「故人の財産だけでなく、負債も含めてすべてを引き継ぐ意思表示(=単純承認)」とみなされる可能性があります。

相続には3つの選択肢があります。

  • 単純承認:プラスの財産もマイナスの財産(借金)も、すべて引き継ぐ
  • 相続放棄:プラスもマイナスも、すべて放棄する
  • 限定承認:プラスの財産の範囲内でのみ、マイナスを引き継ぐ

問題は、故人の預金を引き出してしまうと「単純承認したもの」とみなされる恐れがあることです。

後から多額の借金の存在が発覚しても、すでに単純承認したとされてしまうと、相続放棄が認められなくなる可能性が非常に高くなります。

2.1 「借金があるかどうかわからない」からこそ、慎重に

「うちの親にそんな借金はないはず」と思っていても、生前に誰にも言えなかった借入れが後から見つかるケースは少なくありません。

相続放棄には「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」という期限もあります。安易な引き出しで選択肢を狭めてしまわないよう、注意が必要です。