テレビやカメラの会社、という印象でソニーを見ている人は多いかもしれない。

だが、いまのソニーグループ(6758)の稼ぎ頭は、ゲームや音楽、そして半導体のイメージセンサーだ。2027年3月期1Qは増収増益で好調に滑り出した。

その中身を事業ごとに分けると、この会社の実像が見えてくる。株価の動きとあわせて確かめたい。

※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。

この記事の3つのポイント

  •  ①2027年3月期1Qは売上収益が前年同期比8.2%増、営業利益は40.2%増、当期利益は44.4%増と好調だった。
  •  ②増益をけん引したのは、営業利益が2倍以上に伸びた半導体のイメージセンサー分野である。
  •  ③ゲーム・音楽・センサーなど性格の異なる事業を抱える多角化構造が、全体の収益を支えている。

1カ月で上昇した株価、バリュエーションは中庸

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出所:各種資料をもとに筆者作成

出所:各種資料をもとに筆者作成

ソニーグループの株価も、直近1カ月で上値を伸ばした。7月中旬に3,300円台だった終値は、8月14日に3,912円まで上げている。

8月14日は前日から6%近く上昇した。この日は幅広い銘柄に買いが入った地合いも後押ししたとみられる。

株価収益率(PER)は直近時点で19倍台、PBRは2.7倍である。利益の伸びに対してPERは突出して高いとはいえず、過度な期待までは織り込んでいない水準と読み取れる。

2027年3月期1Q、売上収益8%増で営業利益は40%増

2027年3月期1Qの売上収益(IFRS)は2兆8,377億円で、前年同期比8.2%増となった。営業利益は4,764億円で40.2%増、親会社株主に帰属する当期利益は3,421億円と44.4%増えた。増収を上回るペースで利益が伸びている。

利益の伸びをけん引したのは何か。事業別に見ると、半導体のイメージセンサーを扱う分野の営業利益が、前年同期の542億円から1,222億円へと2倍以上に拡大した。スマートフォン向けなどのセンサー需要が追い風になったとみられる。

主力のゲーム分野も、営業利益が1,479億円から2,020億円へ増えた。音楽や映画も利益を伸ばし、複数の事業がそろって前に出た四半期といえる。

筆者コメント

ソニーの決算を読むコツは、連結の合計だけでなく、事業ごとの温度差を見ることにある。

今回はイメージセンサーの伸びが目立った。スマートフォンの高機能化が続くほど、この分野は追い風を受けやすい。

一方でゲームや音楽も底堅い。特定の事業に頼らず、複数のエンジンで前に進める。この分散の効き方こそ、いまのソニーの強みだと考えられる。