3. キヤノンの年間チャートをチェック

キヤノン株の1年間の値動きは以下の通りです。

キヤノン株の年間チャート2/2

キヤノン株の年間チャート

出所:各種資料より筆者作成

直近1年間のキヤノンの株価は、世界的なカメラ需要の底堅さや半導体露光装置への期待感から2月9日に一時5,033円の年初来高値を付けるなど堅調なトレンドを描いていました。

しかし、2026年4月23日の第1四半期決算発表時に通期の利益予想を下方修正したことをきっかけに市場の失望を誘い、翌4月24日には年初来安値圏となる4,000円台前半(一時4,098円、その後5月7日に最安値3,956円を更新)まで急落する波乱の展開となりました。

足元では4,200円〜4,300円台でのもみ合いが続いており、権利確定月である6月末に向けて、下値の堅さと配当利回り妙味を意識した買い戻しがどこまで入るかが焦点となっています。

4. 2026年12月期の配当予想

2025年12月期の実績(年間160円)と同額の、安定した配当が維持される見通しです。

  •  第2四半期末(中間配当):80円00銭
  •  期末配当:80円00銭  
  • 年間配当金(合計):160円00銭

同社は、配当方針と還元姿勢について、「配当金額を下げることなく、配当性向40%を目途に安定的かつ積極的な利益還元の方針のもと、今後の業績動向及び財務状況を踏まえながら適宜見直す」としています。

利益見通しは下方修正されたものの、年間160円の配当が維持される計画であるため、最新の利益予想をベースにした配当性向は会社側が目安として掲げる「40%」をやや上回る41〜42%程度に達する見込みです。

2026年6月の権利確定スケジュールは以下の通りです。

  • 6月26日(金):権利付き最終日 
  • 6月29日(月):権利落ち日
  • 6月30日(火):権利確定日

5. まとめ

キヤノンの2026年12月期第1四半期決算は、米州や欧州でのプリンティング市況の低迷を日本やアジアの好調がカバーし、売上高は第1四半期として過去最高となる1兆937億円を記録しました。

一方、利益面ではメモリコストの上昇や米国追加関税、プロダクトミックスの悪化などが響き、営業利益が前年同期比26.1%減の714億円となるなど大幅な減益を強いられています。  

これに伴い通期の業績予想も下方修正され、売上高は4兆7,650億円に据え置かれたものの、営業利益は前回見通しから230億円減額の4,560億円へと引き下げられました。

しかし、旺盛なAI向け需要を捉えた半導体露光装置のメモリ向け投資が急速に回復しているほか、カメラやネットワークカメラの需要も強く、好調な事業が全体を支える粘り強さも見せています。

投資家が重視する配当については、年間160円の安定した計画が据え置かれています。

利回り3.7%台の優良高配当株としてのインカムゲイン妙味は依然として高く、手堅い運用を好む個人投資家にとって、6月末の権利確定に向けて引き続き有力な選択肢と言えるかもしれません。

ただし、地政学的リスクや為替の変動など世界情勢は依然として不確定かつ予測困難な側面も多いため 、投資を検討する際は企業のIR資料などで最新の情報をしっかりと収集し、ご自身の責任とご判断のもとで慎重に進めるようにしてください。

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参考資料